研究課題/領域番号 |
11357015
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高岡 邦夫 信州大学, 医学部・整形外科学, 教授 (30112048)
|
研究分担者 |
岡田 隆雄 多木化学(株), 開発本部研究所, 有機化学グループ長
清水 富永 信州大学, 医学部・附属病院・整形外科, 助手 (40283270)
斎藤 直人 信州大学, 医学部・整形外科学, 講師 (80283258)
野崎 一敏 山内製薬(株), 創薬研究本部, 主任研究員
上村 幹男 信州大学, 医学部・整形外科学, 助手 (60273091)
高橋 浩一郎 山内製薬株式会社, 創薬研究本部, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
30,700千円 (直接経費: 30,700千円)
2000年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1999年度: 21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
|
キーワード | 骨形成タンパク / 骨形成 / 低侵襲手術 / 人工担体 / 被吸収性ポリマー |
研究概要 |
骨形成蛋白(Bone Morphogetic Protein, BMP)は骨に微量含まれるタンパク質であり、骨に再生能力をもたらす局所因子(サイトカイン)とされている。1988年にはじめてBMPの遺伝子が同定され、遺伝子組み替え技術をつかって合成に成功した(recombinant BNP, rBMP)。このrBMPを有効に利用すれば自家骨移植することなく骨の再生修復ができるはずであり、整形外科での治療に広く応用できる可能性が高い。しかしその臨床応用にあたって解決すべき問題が残されている。その問題の主なものは1.至適なDDS(drug delivery system)が確立されていないこと。すなわちBMPを局所で安全かつ有効に作用させるための適切な担体が得られていないこと。2.ヒトではBMPに対する反応性が低いことである。したがって本研究では1.適切なBMPのDDSを確立すること、2.ヒトのBMPにたいする反応性を高める方法を開発すること3.整形外科手術でBMP/担体の複合体をできる限り低侵襲に骨形成が必要な部位に導入する技術を確立すること、である。 研究開始以来、現在までに得られた成果を列記する。 1.従来BMPの担体として汎用されてきた家畜由来のコラーゲンにかわるものとして合成ポリマー(ポリ乳酸ポリエチレン共重合体)を開発した。このポリマーは分子量を調整すると液体状から硬いゲル状まで性質が変えることができ、用途に応じて選択できる利点がある。 2.液状ポリマーを担体として1mgのrBMP-2をビーグル犬の胸椎前方に注入することで低侵襲に脊椎前方固定が可能であることを実証した。手術手技についてはさらに改良中である。 3.ゲル状ポリマー/BMP複合体を表面に塗布した多孔性生体材料(金属、セラミック)によってウサギ上腕骨、ビーグル犬脛骨の大きな骨欠損の修復が可能であることを実証した 4.BMPに対する感受性を高める薬剤としてphosphodiesterase 阻害剤である Rolipram が有効であることを発見した。その他の薬剤についてもさらに検索中である。
|