研究課題/領域番号 |
11357019
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
|
研究分担者 |
宮内 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60222329)
三輪 佳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70263845)
桜井 武 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60251055)
村田 栄 田辺製薬医薬育成研究所, 循環薬理部, 部長
粕谷 善俊 千葉大学, 大学院・医学研究科・高次機能系分子生体機構学, 助教授 (70221877)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
38,560千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 3,360千円)
2001年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2000年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1999年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
|
キーワード | エンドセリン / 慢性循環器疾患 / 心筋梗塞 / 慢性心不全 / リモデリング / HIF-1α / ET受容体拮抗薬 / 心筋症ハムスター / 心不全 / 受容体 / 受容体拮抗薬 / アポトーシス / ミトコンドリア / 動脈硬化 / upregulation / 心筋梗塞ラット / 変換酵素 / エンドセリン受容体 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本研究は、慢性循環器疾患として心不全を例にとり、様々な病態動物モデルを用いて疾患の発症・維持・増悪に関わる内因性因子としてエンドセリン(E T)を中心に他の生理活性物質とのクロストークを探り乍ら、斬新な病態薬理学的研究法を確立し、適切な治療法の開発を目指すことを目的としている。冠動脈結紮後の心筋梗塞に基づく慢性心不全ラットの非梗塞部不全心筋及びうっ血肺組織において、ET-1mRNAとペプチド含量が著明に増加しており、心筋においてはET_A受容体の発現も増加していた。これは、慢性心不全では特に心筋においてETシステムが特異的に亢進していることを物語るものである。急性心筋梗塞時のラットにET_A受容体拮抗薬を投与すると、左室の+dp/dt/pmaxが有意に低下し、産生の増加したET-1は急性期には心機能維持に働いていることを示唆している。しかし、ET-1刺激が長期間に及ぶと心筋には過度の負荷となり、細胞の顕著な肥大や線維化等(心筋リモデリング)を伴う慢性心不全に陥ることになる。事実、ET_A受容体拮抗薬の持続的投与によりラットの生存率が大幅に上昇する同時に、心室リモデリングの進展と血行動態の低下は著明に改善された。非虚血性の心不全モデルである心筋症ハムスターでも、全く同様のことが観察された。培養心筋細胞にミトコンドリア呼吸系の阻害薬(ロテノン等)を適用して不全心筋を模倣するin vitroのモデル系を開発し、詳細な病態薬理学的解析を行ったところ、ミトコンドリアの機能障害と並行して心筋細胞におけるET-1 mRNAの発現が亢進すると同時に、培養液中へのET-1遊離量が著しく増加した。この際に転写因子のHIF-1αがET-1の発現亢進に中心的役割を果たしていることを突き止めた。一方、脂質代謝に重要である核内受容体のPPARsの活性化はET-1の発現を抑えることも明らかにした。ET受容体拮抗薬は慢性心不全や肺高血圧等の動物モデルに対して著効醗揮することが注目され、患者への応用も活発に試みられてきており、慢性循環器疾患の斬新な治療薬としての可能性が期待される。
|