研究分担者 |
日野 亮太 東北大学, 大学院・理学研究科・地震・噴火予知研究観測センター, 助教授 (00241521)
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科・附属災害制御研究センター, 教授 (40213243)
中村 孝一郎 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40302236)
原 武文 (株)光電製作所, 特機本部, 研究員
土橋 孝治 沖電気工業(株), 研究開発本部電子通信システム研究所, 主任研究員
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配分額 *注記 |
37,210千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 2,010千円)
2001年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2000年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1999年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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研究概要 |
本研究では光学式海底津波計のための周波数シフト帰還型ファイバレーザを光源とした光学式水圧計を開発した.これは光ファイバセンサの光学長の水圧による変化を光周波数領域リフレクトメトリ技術を用いて高精度に計測するものである.センサはアルミニウム合金製のボビンに長さ870mの分散シフトファイバを巻線したもので,水圧感度-2.34 10^<-11>/Paが得られた.周波数シフト帰還型ファイバレーザは波長1.55μmで発振し,距離計測精度は10-<-9>であった.本システムの水圧計測精度は62Paを達成できた.これは水位変化に換算すると6.2mmとなり,津波警報に十分な計測精度であった. また逆伝播手法解析により面的広がりのある津波波源の推定を行った.これは2つの海底津波計それぞれについて津波の第一波の最高水位点およびゼロクロス点に対する波峰線を描き,その交点を波源域として推定するものである.今回,環太平洋を対象とした津波ネットワークについてシミュレーションした結果,ハワイ諸島周辺沖合に海底津波計を追加することにより20%以内の誤差で波源を推定できることが判った. わが国沿岸ではたびたび津波によって人命が奪われ、甚大な物的被害を被っている。津波による被害軽減には,確実な情報をいち早く提供することが必要不可欠であり,そのようなシステムが待ち望まれている.周波数シフト帰還型レーザーを光源とするレーザー水圧計は,その多重化によりリアルタイム多点計測が可能であり,本研究成果にもとづいた広域の海底津波計による計測ネットワークが実現されれば,津波数値シミュレーションによって津波の規模・到達予定時刻を正確に把握し,正確な津波警報を発令することができる.そして津波による被害を最小限にとどめることが可能になるものと期待される.
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