研究課題/領域番号 |
11358009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
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研究分担者 |
星 英之 大阪府立大学, 農学部, 助手 (30301188)
石塚 真由美 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (50332474)
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
35,370千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 2,670千円)
2002年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2001年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2000年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1999年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | 内分泌撹乱物質 / 環境汚染物質 / バイオマーカー / シトクロムP450 / CYP1A / エストロゲン / 環境汚染評価 / バイオリメディエーション / 環境ホルモン / 環境汚染 / ステロイドホルモン / ダイオキシン受容体 / PPAR / Ah受容体 / ベンゾピレン / フタル酸エステル / ビスフェノールA / ゴマフアザラシ / クラカケアザラシ / オオワシ / オジロワシ / コイ / P450 / 甲状腺ホルモン / 二次卵母細胞 / 異物代謝酵素CYP / 環境汚染モニター / 海棲哺乳動物 / 生物濃縮 / CYP1A1 / CYP2B |
研究概要 |
本研究では、P450のバイオマーカーとしての有用性を確立し、これを利用した評価法の確立、環境浄化への利用を目的とした。対象生物として、食物連鎖の頂点にたち、海洋汚染の影響を受けやすい海生哺乳類に着目した。我々は、北海道沿岸の魚類を捕食するゴマフアザラシに表層海水の一億倍の濃度のPCB、10億倍の濃度のDDTが蓄積し、このPCB蓄積レベルに相関してP450分子種であるCYP1ファミリーの発現量が増加していることを明らかにした。そこで、P450のバイオマーカーとしての利用のために、海棲哺乳類からP450をクローニングし、その酵素の基質特異性などについて研究を行った。アザラシ2種、トド、イルカ2種、ミンククジラより、P450分子種であるCYP1A、CYP3AのcDNAを世界で初めて単離することに成功した。また、食物連鎖下位生物の魚類について、ダイオキシン類による汚染が問題となった藤沢市の引地川水域に棲息するコイを、環境省の安全宣言後に採集し、肝膵臓における異物代謝能や生殖腺への影響の有無を汚染水域の上流に棲息するコイとの比較から検討した。化学分析から、引地川の藤沢工場下流域より採集したコイではダイオキシン類が生体に高濃度に蓄積されていることが明らかとなった。汚染域棲息の雌コイでは、上流域棲息群に比べて、P450量、CYP1A発現量、CYP1A依存の代謝活性が増加していた。また、雌個体においては、生殖腺重量や血中エストロゲン量について、下流域のコイでは減少が見られた。エストロゲン及びCYP1A誘導の関係については、培養細胞を用いた研究から共役因子の関与などを明らかにした。以上の環境汚染物質の蓄積とP450との関係に関する研究は世界的にも高い評価を受け、1999年にNZで開かれたバイオマーカーシンポジウム、2000年に仙台で開かれた国際P450シンポジウム、2001年東京の日本獣医学会においてそれぞれ講演に招待された。
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