配分額 *注記 |
30,110千円 (直接経費: 28,400千円、間接経費: 1,710千円)
2001年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2000年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
1999年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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研究概要 |
高温超伝導体SQUID磁束計による生体磁気計測技術の構築を目的として,心磁図計測応用をターゲットとしたデバイスとシステム化研究を行い、以下の成果を得た。 1.高温超伝導体SQUIDの高感度化と環境磁場特性の改善 レーザアブレーション法によるYBa_2Cu_3O_<7-d>超伝導薄膜の作製技術を立ち上げ,高臨界電流密度(Jc〜5×10^6A/cm^2)の薄膜を作製可能とした。ストリップ線路構造をもつ直結型マグネトメータを設計・作製し、磁場雑音100fT/Hz^<1/2>以下の高感度デバイスを実現した。マグネトメータの超伝導薄膜に微細なホールやスリットを作り込み磁束侵入や運動を抑制し、さらに磁束ダムによりしゃへい電流を制限する新構造とした。これらの磁束制御技術により,30μT以下の環境磁場中で冷却したり,1〜2μTの環境磁場変動でも動作するデバイスが実現できた. 2.環境磁場雑音の低減技術 簡易な磁気シールドと能動型磁気シールドを組み合わせた環境磁場雑音の低減技術を開発した.簡易磁気シールドルームに巻いた誘導型コイルを磁場雑音検出器とし,'補償コイルによりフィードバックするキャンセル法を考案した.また,多チャンネル用の技術として,シールドルーム内の参照マグネトメータの磁束ロック用磁場信号を,信号マグネトメータのフィードバックコイルに印加する方法を開発した.これらの磁場雑音法の組み合わせにより,簡易磁気シールドと併用し,1〜100Hz帯域で50〜60dBの雑音低減が可能となった. 3.心磁図計測システム 心磁図計測を目標とし,実用化が可能な多チャンネルシステムを試作した。デュワーとガントリ(架台),SQUIDコントローラ,アンプフィルタユニット,ADコンバータ,データ収録装置などからなる10チャンネルシステムを構築し、1〜100Hz帯域で心磁図のリアルタイム計測が可能であることを実証した.
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