研究分担者 |
川上 綾子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50291498)
川口 潤 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70152931)
筧 一彦 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (90262930)
吉崎 一人 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 助教授 (80220614)
齋木 潤 (斎木 潤) 京都大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (60283470)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
本研究は,老年者及び脳損傷患者の記憶機構について神経心理学の観点から検討したものである。とくに,空間性記憶機構に焦点を当て,その機序に重要な役割を演じている前頭葉機能との関係,それらの機能評価を老年者および脳損傷患者を対象にした実験研究で検討した。研究成果は,学会発表・論文と市販した(および市販予定の)検査に大別できる。前者は,記憶負荷と脳機能の関連に関する検討,年単位の長期記憶の忘却過程に関する検討,記憶負荷の多寡と左右脳機能の相互作用に関する検討,周辺視野に呈示される視覚情報の処理過程に関する検討などを行った。一方,後者に属する研究成果は,前頭葉機能を検討する過程で前頭葉機能を評価する検査の作成を試みたことである。これは,とくに若年者に多い頭部外傷患者の注意および記憶機能への脳損傷の影響を評価するために3種の検査を作成した。一つは,スクリーニングを目的としたD-CAT(注意機能スクリーニング検査)と呼ぶ検査を出版した。これは,記憶負荷を変化させながら指定した数字の抹消を被験者に求めるものである。Deep検査としてはNNAA(名大版注意機能検査)とよぶ検査を作成し,記憶,注意の下位要素の診断評価を可能とするものである。これは,パソコン上で行う検査であり,年度内に出版する予定である。3つ目は,老年者の記憶機能の評価を住民検診レベルで簡便に行うための集団スクリーニング検査として,言語流暢性検査の日本語標準版の作成を行った。これについては,現在,基準値を一応設定できる母集団で検査の標準化を進めている。
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