研究概要 |
11年度(初年度)は自己制御学習の今日的意義を歴史的・理論的に検討した後,自己制御学習に関する調査研究(調査1)と実験的研究(実験1,実験2,実験3)を実施した。調査研究では,大学生の自己制御学習能力を測定するための新しい尺度を作成し,学習目標,原因帰属,自己効力感,暗黙の知能観が自己制御学習能力の発達に及ぼす影響を分析・検討した。実験的研究では,自己制御学習の認知心理学的メカニズムを調べるために,「既有知識の検索が学習に及ぼす影響」に関する実験1,「既有知識の検索が学習に及ぼす影響(2)」に関する実験2,「マルチ・プライムの提示が意味的プライミングに及ぼす影響」に関する実験3を実施した。 12年度は11年度の研究成果を踏まえ,自己制御学習に関する調査研究(調査2)と実験的研究(実験4,実験5,実験6)を実施した。調査研究では,大学生の自己制御学習能力と情報活用力,情報化社会へのレディネス,高校時代の学習法レジリエンス(心の回復力)との関係を分析・検討した。実験研究では,「マルチ・プライムの提示が意味的プライミングに及ぼす影響」に関する実験4,「学習方法とテスト時期の予告が未知な単語の学習に及ぼす影響」に関する実験5,「知識獲得に及ぼす学習目標の効果」に関する実験6を実施した。 13年度は,11年度および12年度に行った2つの調査および6つの実験の結果を分析・検討し,その成果をまとめて報告書を作成した。
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