研究分担者 |
平田 利文 大分大学, 教育福祉学部, 教授 (20173239)
大塚 豊 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00116550)
馬越 徹 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (60000030)
服部 美奈 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 講師 (30298442)
杉本 均 京都大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50211983)
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研究概要 |
アジア諸国は順調な経済発展を背景に,教育制度の充実がはかられてきた。ところが,1997年後半からタイの通貨危機が各国に波及し,一転して深刻な経済危機を経験し,政治危機に至った国もある。経済のグローバル化がさらに進む中で,新しい教育法の制定,教育改革の推進,教育の価値と目的の再定義なども行われている。本研究はアジア五カ国(韓国,中国,タイ,マレーシア,インドネシア)の中等教育改革に焦点をあて,グローバル化への要請を中等教育の内容としていかに実体化させようとしているのかを明らかにしようとした。グローバル・インパクトについては各国・各地域において多様な受け取られ方と対応が見られる。韓国では教育の多様化と自律化が掲げられ,中国ではカリキュラム管理の改革が進められている。タイとインドネシアでは教育の分権化(カリキュラムの地域化)が,マレーシアではコンピュータ化と情報化に重点が置かれている。各国編に続くテーマ編では,グローバル・インパクトを契機とした地方の活性化(ローカリゼーション)が取り上げられる。ITと情報化が,さまざまのネットワークの拡大を加速し,国境の壁を現実に低くし,教育のあり方にも影響を与えている。二度の学会においてラウンドテーブル(テーマは日本比較教育学会が「東南アジアにおける『ローカリゼーション』」,日本教育学会が「グローバル・インパクトと教育改革-地域の言語・文化と越境性を考える-」)を開催し,そのレジュメ等も報告書に含めた。
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