研究課題/領域番号 |
11410104
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
佐藤 正幸 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (90126649)
|
研究分担者 |
渡辺 和行 奈良女子大学, 文学部, 教授 (10167108)
芝井 敬司 関西大学, 社会学部, 教授 (00144311)
森田 猛 弘前学院大学, 文学部, 助教授 (60254744)
早島 瑛 (早島 暁) 関西学院大学, 商学部, 教授 (90093450)
二宮 宏之 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (40014427)
佐々木 博光 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (80222008)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 認識歴史学 / 規範歴史学 / 歴史認識論 / 歴史哲学 / 西洋史学史 / 歴史理論 / 歴史認識 / 歴史意識 / 歴史概念 |
研究概要 |
本研究の目的は、「歴史叙述(Historiography)の特性は、要素の結合のあり方によって決まるのではなく、むしろひとつの文化全体における歴史叙述の位置・役割によって部分の特性が、そして要素の結合のあり様が決まる。部分の性質が変わっても全体の性質は保存されることがあり得る」という歴史理論・史学史的テーゼの検討しである。 具体的には、ヨーロッパで発達した「認識としての歴史(Cognitive Historiography)と、東アジアで発達した「規範としての歴史(Normative Historiography)」、別な表現をすれば、認識の学問として発達した西洋の歴史記述を、規範の学問として展開してきた東アジアの歴史記述の諸特質と対比することで、現在世界的に受け入れられている「認識としての歴史」の形成と発展を、比較史学史的に考察した。 東アジアにおける歴史とは政治的社会的文化的規範を作り上げるものであった。だから、紀伝体とカ編年体といった一つの歴史書の形式が出来上がると、その固定化が行われた。それらの形式が遵守され、政府という公の名のもとに歴史編纂が行われたのはこれらが規範であったからだ。 これに対して、16世紀以降、西洋の歴史研究は、その当時の諸学問に対抗して自己を作り上げてきた。同時代の出来事をその時間的契機の中で理解しようとする新たな「認識方法」は、19世紀のドイツで花開くこととなった。歴史理論・史学史が書かれること自体が、歴史は一つの認識の方法だという意識の芽生えだといえる。19世紀ドイツの歴史理論書のラッシュは、まさに「認識としての歴史」が一つの独立したディシプリンとして成立したことの反映である。このような西洋で誕生した認識の一形式としての歴史を歴史理論的・史学史的に本研究では解明した。
|