研究課題/領域番号 |
11410107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木下 尚子 熊本大学, 文学部, 教授 (70169910)
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研究分担者 |
杉井 健 熊本大学, 文学部, 助教授 (90263178)
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 助教授 (40258752)
黒住 耐二 (黒住 耐ニ) 千葉県立中央博物館, 研究員 (80250140)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 6〜7世紀 / 琉球列島 / 国家形成 / ナガラ原東貝塚 / イネ / コムギ / ヤコウガイ / 開元通宝 / 6世紀 / 生産経済 / ムギ / 伊江島 / 鉄器 / 沖縄貝塚時代後期 / 鉄 / 貝符 / 海外交易 |
研究概要 |
本研究は、日本国内で唯一独立国家を維持した歴史をもつ琉球国(1429年成立)がどのように形成されたのかを、考古学的に追究するものである。具体的には、琉球国の成立に不可欠な条件である交易と農耕が、新石器時代においてどのように発生し、進展したかを検証しようとするものである。 上記の目的にそって、沖縄県伊江島ナガラ原東貝塚の発掘調査を、3年述べ42日にわたって実施し、農耕に関する成果をえた。ここで6世紀後半の遺構を検出し、その土壌分析により、イネ、コムギ、タブを抽出した。これらの穀物は琉球列島において、現在最古の栽培穀物資料である。しかし、これらの他に雑草の種子が検出されず、あわせて実施したプラントオパール分析や陸産貝類の分析結果も、遺跡の付近に耕作地が存在したことを支持していない。したがって、これらの穀物が伊江島で生産された可能性はきわめて低い。この時期、伊江島では九州・西日本と大型貝類(ゴホウラ、イモガイ)を交易する関係が継続していたので、穀物はその交換品として齎されたと推測できる。琉球で穀物栽培が開始されるのは、6世紀後半以降である可能性が高い。 交易については、6世紀以降の琉球列島で多量に出土する開元通宝とヤコウガイに焦点をあて、それぞれの出土資料を集成して検討した。その結果6世紀から9世紀において琉球列島のヤコウガイが中国唐の螺鈿に使用され、9世紀から12世紀には日本の螺鈿に使用された可能性の高いことが明らかになった。10世紀以降、琉球列島は九州・西日本を中心とした広域流通経済の南端に組みこまれ、その交易範囲を拡大する。このことを、ホラガイの使用状況、滑石製石鍋の集成を通して明らかにした。
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