研究課題/領域番号 |
11410125
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 正則 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00027971)
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研究分担者 |
船越 克己 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (40079108)
濱中 春 島根大学, 法文学部, 助教授 (00294356)
浅井 健二郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30092117)
渡辺 洋子 (渡邊 洋子 / 渡邉 洋子) 大阪学院大学, 経済学部, 助教授 (30135636)
渡辺 哲雄 (渡邊 哲雄 / 渡邉 哲雄) 愛知医科大学, 講師 (70175107)
三谷 研爾 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (80200046)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 空間 / 知覚 / 旅 / 庭園 / 都市 / ジェンダー / 風景 |
研究概要 |
本研究課題が扱うのは、18世紀から19世紀にかけてドイツ語圏で生じた、ひと・モノ・精報の移動をめぐる社会史的条件の大きな変動に随伴する、空間経験の言語的表現の変化である。具体的には、旅行記、地誌、書簡、日記、および小説など、できるかぎり多様なテクストを分析対象として取り上げ、その空間表現のうちに相反するふたつの傾向を確認した。すなわち、一方においては、ヘルダー、ゲーテ、モーリッツ、ゾフィー・フォン・ラロッシュといった書き手による空間表現にあって、とりわけ風景描写がしだいに個人的かつ主観的な性格を獲得していく方向である。他方、記述対象から距離をとった、社会批評的あるいは自然科学的な観察方法がはっきりと介入している方向も開拓され、それはアレクサンダー・フンボルト、ハインゼ、そしてなによりフォルスターのテクストに顕著である。これらふたつの方向性は、18世紀に形成された、均質な無限空間という概念が、観察主体によって知覚・表象されたかぎりでの経験へと再構成された結果と理解することができる。言語表現の個性化や主観化は、ちょうど時を同じくして成立した<文学>という制度と緊密に連動していると同時に、たとえば庭園の造作とその記述や、各種の光学機器の開発によって隆盛に向かい始めた視覚文化、あるいは実用的見地から書かれた旅行案内といった、当時のさまざまな非文学的ディスクールとのあいだの相互作用のもとに置かれなければならなかったのである。
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