研究分担者 |
村上 雄太郎 茨城大学, 工学部共通講座, 助教授 (50239505)
ラマール クリスティーン 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30240394)
木村 英樹 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20153207)
楊 凱栄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00248543)
鷲尾 龍一 筑波大学, 現代語現代文化学系, 教授 (90167099)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
本研究は,東アジアの諸言語を対象に,意味と文法形式および文法カテゴリーの関係を考察し,主としてカテゴリー化と文法化に見られる多様性と普遍性の究明を目的としたものである。本研究は上記6名に国立国語研究所の井上優を加え,7名の分担者によって行われた。分担者は毎年2回ずつ研究会において各自の研究テーマに関する発表と意見交換を行い,その研究成果を国内外の学会・シンポジウムや紀要などで発表した。研究会には星泉(東京外国語大学,チベット語)も研究協力者として参加した。 我々が主として行った研究としては,「ヴォイスの構造化とカテゴリー化」および「主観性のカテゴリー化」に関する研究をあげることができる。前者に関しては,木村が中国語の使役文や受身文および「把」構文などについて,井上が中国語の使役のタイプと否定の関連について,鷲尾が中期モンゴル語における結果表現の現れ方について,生越が朝鮮語のhata動詞に見られる2つの形態の使い分けについて,それぞれ論じた。これらの論考から,ヴォイス表現に関する東アジア諸言語の共通性と個別性がより明らかになった。 「主観性のカテゴリー化」に関しては,数量と取り立ての関係について,楊が日本語「も」と中国語"也ye"の用法を,村上がベトナム語の【V+du?c+数量名詞句】構文を,それぞれ取り上げ論じた。さらに,問いかけ・依頼・願望の文末詞について,ラマールが客家語の文末詞の2つの用法を,井上が中国語'是?"と日本語の「そうか/そうですが/そうなんですか」を取り上げ,それぞれ分析した。これらの研究から,中国語と日本語は,その類型論的相違にもかかわらず,文末詞の役割・文法化に関してはかなり近い側面をもっていることがわかった。分担者はこのほかにも多くの論考を発表しており,その一部を成果報告書としてまとめた。
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