研究課題/領域番号 |
11420015
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 光利 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00128646)
|
研究分担者 |
真渕 勝 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70165934)
品田 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10226136)
久米 郁男 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30195523)
加藤 淳子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00251314)
大西 裕 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (90254375)
片山 裕 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (10144403)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1999年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
|
キーワード | バブル経済 / 金融政策 / 日本銀行 / 大蔵省 / 新制度論 / 経路依存症 / 経路依存性 / 金融危機 / 内閣支持 |
研究概要 |
本研究は、バブル経済対策の遅れを政治学的な観点から実証的に解明することを目的としていた。そのため理論研究、文献・資料収集、聞き取り調査を行い、世論調査の時系列データ・新聞報道の内容データ・聞き取りデータ・各種年表を整備した。また各自がテーマを決めて分析を進めた。内容的には(1)バブル崩壊後の処理を説明する伊藤・真渕・大西と(2)バブル経済前後の環境を検討する加藤・久米・品田に分かれる。(1)の中で伊藤・真渕は、住専問題に焦点を定める。この問題が早い段階で国民に公的資金投入への不信感を植え付けたため、後に不良債権処理が困難になった。真渕は日住金の第一次再建計画、第二次再建計画、財政資金投入を含む処理案の策定過程を時系列で追跡し、各時点での当事者の考え・行動を検討した。伊藤は新制度論アプローチを用い、護送船団方式という理念、さまざまな制度配置、官僚スキャンダルなどの状況的要因を住専処理策の説明要因として析出した。大西は昨年来の理論研究を踏まえ、韓国通貨危機は、「擬似中央銀行」と見られてきた財政経済院の力の限界が露呈したことをきっかけに投資家の平価切り下げ予測が決定的になったからだとした。(2)の中で、加藤は、わが国の官僚・政党・企業組織に共通して存在する、同質的で低い流動性という組織的特徴が、政治経済上の成功局面では合意の効率的形成と効率的な機能遂行に貢献したが、逆に失敗の局面では、組織の機能の衰退を黙認する存在となったことを示した。久米は、不良債権処理のための公的資金投入をめぐる新聞報道について記事件数、論調、各アクターの立場を系時的に分析した。品田は、各候補者の選挙公約から「全体-個別」、「創出-修正」の二軸を抽出し、93年以降、政治改革のような「全体・創出」型の政策が急増し政党再編の焦点となったことを明らかにした。以上、最終年度終了にあたり一定の成果は示すことができたが、研究の未完成部分および各研究の体系的な結合を進め、今後、最終的な成果を可及的速やかに公表することを期したい。
|