研究分担者 |
國府田 佳一 (國府田 桂一) 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (60186616)
加納 悟 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50114971)
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40167854)
塩路 悦朗 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50301180)
奥村 綱雄 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (90323922)
古澤 泰治 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (80272095)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
東アジア諸国の経済成長と所得格差の収斂に関して、平均所得を下回る国においては成長率が平均成長率を超え,平均所得を上回る国においては成長率が平均成長率を下回り、長期的には東アジア諸国間での所得格差が収束の傾向にあること分かった.さらに,前期における平均値からの所得の乖離に対して当期の乖離幅が縮小しているか否かによって所得格差の収束を判定すると,1986年までの間は所得格差が拡大してきたが,1986年以降は所得格差の拡大の程度は弱まり,1996年以降は,所得格差が縮小する過程にあることが認められる.さらに,東アジア諸国の経済成長が,貿易や直接投資の拡大を通じた技術フローによってどのように説明されるかについて検討した.貿易の拡大や海外からの直接投資の流入の増加が東アジア諸国における経済成長を実現する要因として実際にどの程度の効果を有していたかを実証的に検証した.人的資本の蓄積,インフラストラクチャーの整備状況などはそれぞれの国ごとに異なる.こうした8ケ国の国別特殊要因を固有効果として,パネルデータを用いたFixed Effectsモデルによる分析の結果は,直接投資対GDP比率が1%追加的に上昇すると成長率は0.5%増加し,貿易額対GDPに対する比率が1%増加すると成長率は0.05%増加することを示している.この結果は,各国固有の特殊的要因を除外したとしても,貿易の拡大や直接投資の受け入れの拡大が共通的要因として,東アジア諸国のイノベーションと経済成長を促進する上で有意な貢献をしてきたことが示された.
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