研究課題/領域番号 |
11430026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
岡本 康雄 文京学院大学, 経営学部, 教授 (50012109)
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研究分担者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00216219)
桑田 耕太郎 東京都立大学, 経済学部, 教授 (50186558)
玉木 欽也 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40188420)
周佐 喜和 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (50216149)
ちょ 斗燮 (曹 斗燮 / けこ 斗燮) 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (20262834)
MASUDA Kazuo University of Tokyo, Profesor (70209435)
SAITO Junichi Yokohama University, Professor (60205648)
CIBA Shin International Christian University, Professor (10171943)
OKANO Yayo Ritsumeikan University, Assistnat Professor (70319482)
YANO Kumiko Ferris University, Assistant Professor (70308394)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 国際競争力 / 日本エレクトロニクス産業 / モジュール化の時代 / 米国-水平分業構造の進展 / 日本エレクトロニクス産業の衰退 / 日本-垂直統合構造 / 同型ビジネスモデルの競争 / 製品ライフサイクルの短命化 / (部品)モジュラー化 / 米国エレクトロニクス産業の再生 / 韓国・台湾企業の競争力の急速な拡大 / 中国の家電生産部門の成長 / 日本起業の垂直的分業システムの問題 / 機能関連繋を強めるSCMの必要 / EMSの活用とEMS化 / 海外拠点の戦略的活用 / 工場レベルの競争優位 / 多次元の競争優位 / 生産活動の抜本的見直し / 頭脳をもつ工場 / EMS-EMCS / 情報技術と生産システム / 海外拠点の戦略的再編成 / ビジネスモデルの再構築 / 工場レベルでの競争優位 / 自動化と自働化 / 多能工化 / TPM / 多品種少量生産システム / 製品開発・設計と製造システム / 情報技術と製造システム |
研究概要 |
われわれは、日本製造業の競争優位を分析するに当って、エレクトロニクス産業を主要対象に選ぶこととした。何故ならこの産業は、1980年代半ばまでは、全体として高い競争優位を国際的に誇示してきたにもかかわらず、1980年代後半から90年代にかけてその優位をかなり低下させたと思われるからである。各種のデータは、その事をあきらかにしている。しかもこの様な状況をもたらした諸要因は、現在あるいは近い将来に他の産業においてもおこりうると推定されるのである。 これに対し、日本企業の競争力に差をつけられていたアメリカのエレクトロニクス産業は、80年代後半から90年代にかけて国際的競争優位を復元するにいたった。これには色々な要因があるが、その主要な要因、少なくともその一つとして、エレクトロニクス産業に起こった顕著なモジュール化の動き、そしてこれにともなって生じた企業間水平分業の推進があげられる。すなわちモジュール-構成部品さらにそのサブ部品を統合するデザインルールが明示的に構築され、それが守られるならば、各企業は特定部品の開発・試作・生産に特化した開発・生産を行なうチャンスが生まれる。企業の資源がこのような特定部品の革新に集中し、競争が行なわれるならば、イノベーションの速度と水準は向上する。その一つの成功事例がインテルのMPUである。さらに多くのエレクトロニクス企業の製造活動を受託し、コスト低減を実現するEMS企業も生まれた。IBMは高付加価値半導体の生産を除くと製品開発・基本設計・サービスに専念し、製造の多くを外部に委託している。 また台湾の製品設計企業と受託生産企業との柔軟な連繋システム、韓国財閥係企業にみられる戦略的投資と急速な技術力の上昇がめだっている。 これに対し日本の大手エレクトニクス企業は、程度の差はあれ、部品生産を含む多分野の事業を営む、垂直統合型構造をつくりあげており、モジュール化の大きな流れと不適合状態を生み出している。またこの様な事業構造の下では、特定の事業に大規模な戦略的投資を適時に行なうことは容易ではない。それは80年代半ばまでの成功によって企業戦略の主要標的を日系企業におき、同型の戦略をいかに他社に遅れずに進めるかといった同調行動の慣性から中々抜け出せないことにもよっている。また製品寿命の短縮、開発スピード加速化、短期納入などの必要に直面しているにもかかわらず、企業組織面では、開発・設計・製造・マーケティング各機能内の連繋の弱さがめだっている。また海外事業拠点が発信している戦略的問題提起を柔軟にうけとめることができないといった、本社中心主義がめだっている。 このような分析の上でわれわれは、競争優位再構築の可能性、国際経営の在り方についても一定の検討を加えた。
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