研究分担者 |
松木 敏彦 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20157283)
西山 享 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70183085)
加藤 信一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90114438)
松本 眞 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (70231602)
山内 正敏 京都大学, 総合人間学部, 教授 (30022651)
立木 秀樹 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10211377)
|
研究概要 |
本研究の主要な目的は,概均質ベクトル空間(G,ρ,X)のゼータ関数の代数的明示的表示とその保型形式への応用であった.ゼータ関数の研究に関しては,特異点集合が超曲面という条件のもとでその収束を証明し,さらに,作用するG関してHasseの原理が成立しているとき,その局所的なゼータ関数による明示的公式を証明した.この応用として,Freudenthal quarticsと呼ばれる4次の不変式を持つ4つの概均質ベクトル空間に対して,そのゼータ関数を決定することができた.もう一つの応用として,unsaturatedと呼ばれる概均質ベクトル空間のゼータ関数とそれを含むsaturatedな概均質ベクトル空間のゼータ関数の関係を具体的に記述することができた.既約被約正則概均質ベクトル空間については,29の型のうち10を残して分解している場合はすべて決定された.これらの結果は,概均質ベクトル空間のゼータ関数の数論的な性質を決定するのは,生成点の固定群の連結成分のなす群のガロアコホモロジー群であるということを示唆している. 保型形式への概均質空間のゼータ関数の応用については,あまり進展は無かった.しかし次の関連する結果が得られた.今野卓也は,退化Whittakerベクトルの空間の次元についてのRodier-Moeglin-Wzldpurgerの結果の捻られた類似を証明した.またこの応用として、古典群に関するgeneric packet予想の証明が一般線形群のエンドスコピーに帰着されることを示した.池田保は,3次のSiegel保型形式に関する宮脇の予想を,一般化して証明することに成功し,多くの保型形式を構成した.西山享は,テータ対応における随伴多様体の関係を明らかにし,ある場合には,随伴サイクルの対応も明確に記述できることを示した.加藤信一は,p-進群の表現について,新谷関数の一意性を示した.
|