配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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研究概要 |
群の既約表現を部分群に制限したときの既約分解を分岐則という(テンソル積の分解や物理でいう"対称性の破れ"の記述などはその例である)。表現の分岐則を調べることは,表現の理論におけるもっとも主要な問題の1つである。しかし,無限次元表現の分岐則の理論の研究は,解析的な種々の困難もあり、1990年代半ばになるまで,ごく限られた特殊例に限られていた。 1.研究代表者の小林俊行は,半単純リー群の無限次元ユニタリ表現を非コンパクトな部分群に制限したときに、連続スペクトラムが現れない現象が起こりうることを発見し,その一般的な定式化を与えて,その原理を超局所解析および代数的表現論の両側面から解明した。さらに,離散的分岐則の理論を非可換調和解析に応用して新しい離散系列表現を構成し,また保型形式論へ応用してモジュラー多様体の消滅型定理を証明した。さらに,共形幾何や複素微分幾何などに関連した場合に,(従来は知られていなかった)分岐則の具体的な形を決定した。 これらの話題に関して,種々の国際会議における1時間の講演,1999年の日本数学会賞の受賞講演,2000年のEuropean Schoolでの8回の連続講演,2001年のハーバード大学における25回連続の解説などで,それぞれその時点における最新の成果を発表した。 2.研究代表者は1980年代後半に,一般の擬リーマン等質多様体の不連続群論を世界で最初に本格的に取り上げた。その中で,コンパクトなClifford-Klein形の存在問題については特に,最近,他分野からも参入する研究者が増え,離散群,エルゴード理論,シンプレクティック幾何,調和写像,ユニタリ表現論などさまざまな手法によるアプローチが始まるなど,新しい接点が次々と生まれつつある。世界数学年2000の企画の一つとして,この分野の概説を行い、重要な未解決問題の現状と今後の展望を紹介した
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