研究分担者 |
高信 敏 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40197124)
小川 重義 金沢大学, 工学部, 教授 (80101137)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理研究院, 教授 (70155208)
斎藤 善弘 (斉藤 善弘 / 齊藤 善弘) 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (30249213)
深井 康成 九州大学, 大学院・数理研究院, 助手 (00311837)
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研究概要 |
1.ランダムサンプリングに関する基本不等式:確率変数をサンプリング点列としたサンプリング法による数値積分の性能の限界を表す不等式を得た.それによれば,とても複雑な被積分関数をも許す場合,どのようなサンプリング法を用いてもi. i. d.-サンプリングと同等かあるいはそれより悪いような被積分関数の存在がわかる.その意味でi. i. d.-サンプリングはどのように複雑な被積分関数にも適応できる安定した数値積分法であることが分かる. 2.ランダム・ワイル・サンプリング法の開発:どのように複雑な被積分関数にも適応できて,i. i. d.-サンプリングよりもずっとランダム性の少ないサンプリング法「ランダム・ワイル・サンプリング法」を開発した.それはペアごとに独立な確率変数をサンプル点列とする手法で,i.i.d.-サンプリングを適応できる状況でいつでも実行可能である.ランダム性が少ないことによる利点は以下のとおり:(1)疑似乱数の質に鈍感である.したがって多少悪い疑似乱数を用いても数値積分が出来る.(2)サンプル点の生成速度は疑似乱数生成法とほぼ無関係に高速である.従って精密だが生成速度の遅い疑似乱数生成法を用いることが可能であり,その場合,非常に信頼性の高い数値積分が複雑な関数に関して可能となる. 3.数論的密度定理のアデールを用いた精密化:数論的密度定理は,そのままでは確率論的対象ではない.しかし,整数環の一つの無限次元的な拡張「有限整アデール環」とその上の自然な一様確立速度を用いれば,真正の確率論の極限定理として定式化できることを発見した.さらに,中心極限定理のスーケーリングによる極限分布についても特殊な例について完全に記述することに成功した.
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