研究概要 |
M.Adler,P.van Moerbekeと共同で、対称及びsymplectic行列積分の研究を通してPfaff latticeと呼ぶ可積分系に注目した。これは2次元戸田格子に対称性の条件τ_n(t,s)=(-1)^nτ_n(-s,-t)を付加し、それとcompatibleな時間発展の一部分(s=-t)を考えた系;神保、三輪のD′_∞hierarchyの部分系であり、広田等、筧のcoupledKP系と密接に関係する。これに対し、そのτ函数(2次元戸田のτ函数の平方根に当る)を導入し、bilinear identity,Fay identitiesを証明して、さらにその準周期解を構成した。これはM.Adler,E.Horozov,P.van MoerbekeによるPfaff latticeのLax表示等の研究と併せて、Pfaff latticeの一般論を成す。特に対称及びsymplectic行列積分はPfaff latticeのτ函数を与えるが、それの満たすVirasoro条件を研究した。 E.Horozovと共同で、有理関数を係数とするrank1の可換常微分作用素環のスペクトル曲線が、高々cuspのみを持つ有理曲線に限ることを証明した。G.Wilsonが証明した類似の命題ではbispectralityが仮定されているが、その仮定を落としたもので、L.Haine,P.Ilievの差分作用素の研究(IMRN2000,No.6等)の中で成り立つことが期待された命題の微分作用素版。差分作用素の場合を含んだ命題に一般化して、発表の予定。
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