研究分担者 |
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
金子 新 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10038101)
伊藤 雅明 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10116535)
米谷 文男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10029340)
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
徳永 宏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10027906)
長町 重昭 徳島大学, 工学部, 教授 (00030784)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
この研究課題の最大の目標は,すでに古典論として確立した平面領域における単葉関数の理論を,その最も自然な形でリーマン面間の単射正則写像の理論に拡張することであった.実際のところ,それは単なる形式的な拡張を目指したものではなく,リーマン面に固有の性質や現象の追求であった.この主題に属する成果としては,この課題に先行して得られていたリーマン面の等角的埋め込みの理論の整備と拡充,リーマン面上の双曲的計量に関して新たに考えられた単連結領域に関する極値問題,その極値領域の境界と2次微分の軌道との関係についての研究,さらにはその応用---特に不連続な自己等角写像群の基本領域の新しい構成方法---などがある.問題の捉え方,特に理想境界の実現についての新しい知見の結果として,解析接続に関する新しい視点を与え得たことも大きな成果であった.これらの成果は代表者を中心として得られたが,増本,米谷,シュミーダーなどの協力も大きかった.第2のテーマは,第1のテーマと流体力学の---すなわち曲面上の完全流体の定常流と解析関数の---深く相補的な繋がりを明らかにすることであった.これについては,伊藤(雅),長町,太田,水田などの協力が得られた.特に,第1の主題の下で理論的に考察された問題とその結果がトーラスの上でのランキン卵やそのほかの現象においてどのように描出されるかが詳しく明らかにされた.もっと実際的・応用的な立場にたった研究については金子,徳永などの成果が多くの示唆を与えた.物理学あるいは工学へのこのような応用は自然でもあり古くから行われてきたことでもある.逆に理論的な考察に還元することには未だ多くの困難を伴うが,計算機の援用や統計的な処理方法などについて岩瀬,佐藤,樋口,税所らから情報と知識の提供を得た.また力学系についての那須や鄭の研究からも多くの示唆を得た.
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