研究課題/領域番号 |
11440081
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 東京大学 (2000-2001) 立教大学 (1999) |
研究代表者 |
下浦 享 (下浦 亨) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)
|
研究分担者 |
寺西 高 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10323495)
岩崎 弘典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30334246)
久保野 茂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126048)
本林 透 立教大学, 理学部, 教授 (20116114)
青井 考 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00311647)
家城 和夫 立教大学, 理学部, 教授 (10159577)
泉本 利章 立教大学, 観光学部, 教授 (80193382)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | α粒子非弾性散乱 / 不安定原子核 / EO巨大共鳴 / 原子核の圧縮率 / 不安定核ビーム / 逆運動学 / 不変質量測定 / ガンマ線分光 / アルファ粒子非弾性散乱 / 陽子、中性子過剰核 / ガンス線分光 / 陽子・中性子過剰核 / (α,α')反応 / E0 巨大共鳴 / 二次ビーム / 液体ヘリウム標的 / 崩壊様式 |
研究概要 |
本研究では、陽子あるいは中性子過剰な不安定原子核に対するα非弾性散乱を逆運動学で測定し、励起状態のスペクトロスコピーを行った。アイソスカラー型のプローブであるα散乱の選択則、微分断面積の角度分布および崩壊様式から遷移の多重極度を調べ、中性子過剰核における0^+状態およびE0巨大共鳴の研究への足がかりをつけることを目指した。研究を遂行するために、まず液体ヘリウム標的を製作した。反応で生じるγ線をできる限りさえぎらないこと、標的の温度を一定に保つこと、2週間以上の期間安定に動作することを条件に、ヘリウムガスを冷凍機で液化する方式をとった。標的部分の厚さは100〜250mg/cm^2で設定可能である。標的は設計どおり動作し、理化学研究所加速器施設の二次ビームラインRIPSを用いて、核子あたり60MeVの二次ビームで(a)^<14>O+αおよび、(b)^<12>Be+α反応の測定を行った。実験では、荷電粒子測定のためにプラスチックシンチレータホドスコープおよび、ガンマ線測定のため68台のNaI(Tl)シンチレータを用いた。 (a)では、^<14>O核の0^+、1^-、2^+、3^-状態への遷移が同定され、微分断面積の角度分布が移行角運動量で特徴づけられることが明らかになった。同時に測定された基礎データとして、種々の破砕片の各種同定とそれらの生成断面積を求め、半経験則と比較して、炭素同位体の生成が多いことが明らかになった。(b)では、^<12>Be核に寿命の長い核異性体が存在することが明らかとなった。崩壊で生成された2本のガンマ線のエネルギーから、励起エネルギーが2.24MeVであり、角度相関からスピンパリティが0^+と同定された。また、2^+状態および1^-状態への非弾性散乱の微分断面積が移行角運動量で特徴づけられる角度分布が得られた。また、(a)、(b)いずれの系においても核子移行反応(α,t)および(α,^3He)の断面積が予想以上に大きく、当初の計画を超えて、不安定原子核の一粒子状態の核分光手法として利用できることが明らかになった。
|