研究課題/領域番号 |
11440099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 教授 (40194021)
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研究分担者 |
欅田 英之 上智大学, 理工学部, 助手 (50296886)
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10245798)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 高分子 / 励起子 / 非線形光学 / ポリチオフェン / LB膜 / 低次元物質 / 有効共役長 / 緩和過程 / π共役系高分子 / 電子格子相互作用 / 4光波混合 / 非線形効果 / Ag励起状態 / コヒーレントフォノン / フォノン / ラマン散乱 / フェムト秒パルス / 非線形分光 / ポリマー |
研究概要 |
π共役系高分子は、高い導電性や大きな非線形光学効果を有するため、電子・光機能性材料としての有力候補である。中でもポリチオフェンはポリアセチレン等に比べて安定性・加工性に優れ、分子修飾が容易である等の数多く利点を持っている。しかし、ポリチオフェンは結晶ではないため、一つの試料内に有効共役長の異なる分子が混在している。それにもかかわらず、有効共役長を制御して(または、有効共役長の分布を考慮して)光学特性を研究している例は世界中でも極めて少ない。ポリチオフェンの平均有効共役長を何らかの方法で見積もった例は、本研究課題スタート以前では数例しかなく、それによると、その値はチオフェン環が数個から10個程度と見積もられていた。しかし、この程度の数では理想的な1次元励起子系と考えるには不十分であり、また、有効共役長の分散の影響が大きく現れてしまう。有効共役長を長くするには、高分子に立体規則性を付加し、チオフェン主鎖の平面性を保てば良い。我々は、ポリチオフェンに立体規則性を付加することで有効共役長が増大し、非線形感受率もχ^<(3)>【approximately equal】10^<-7>esuという高分子の中で最大の非線形感受率を持つことを見出していた。本研究ではそれまで得られた予備的な結果を踏まえて、立体規則性を有するポリチオフェンの励起子物性、特に非線形光学特性を明らかにすることを目的とした。具体的には以下の項目を行った。 1.立体規則性の高いポリチオフェンの良質な薄膜(スピンコート膜、LB膜)の作製。 2.非線形分光を用いて、有効共役長の見積もりを行い、有効共役長と励起子非線形の関係を明らかにした。 3.励起子発光の時間分解測定により、励起子の緩和過程を詳細に調べ、禁制遷移からの発光の寄与があること、および発光の立体規則性依存性について解明した。
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