研究課題/領域番号 |
11440125
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
川村 春樹 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00192005)
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研究分担者 |
下村 理 原子力研究所, 関西研究所, 研究主幹
赤浜 裕一 姫路工業大学, 理学部, 助手 (90202522)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 固体水素 / 超高圧力 / 低温 / X線回折 / 放射光 / DAC / Deuterium |
研究概要 |
固体水素はラマン散乱や赤外吸収の実験から三つの相の存在が報告されている。I-相(低圧相)は分子の自由回転を伴う無秩序相、II-相(低温相)は回転が一部凍結した相、III-相(高圧相)は分子の配向が定まった秩序相と考えられている。結晶学的に構造が知られているのはI-相のみであり、単結晶構造解析からhcp構造であると報告されている。水素原子は電子を一個しか持たないため、X線の回折能が非常に小さく、かつ、固体水素の研究には高い圧力を必要とするため、試料体積が極端に小さく、X線構造解析は非常に困難である。しかし、超高圧下の固体水素の構造研究は分子の配向秩序化、分子解離、金属化など多くの興味ある現象を解く鍵となるため避けては通れない。固体水素の構造研究は上で述べたように単結晶法で行われてきたが、加圧下や相転移時には単結晶が壊れるため、粉末法も重要となる。 本課題では固体水素の構造研究のため、高輝度放射光を利用した粉末X線回折の実験を試みた。最も重要な成果はII-相の圧力・温度領域で粉末X線回折実験を行ったことである。すなわち、94万気圧、83Kで固体重水素II-相からの三本の回折線の測定に成功し、II-相でも分子中心は依然として、hcp格子上に有ることを明らかにした。また、同様に回折能の非常に小さな試料である他の軽元素固体の超高圧下の粉末X線回折実験も併せて行い、リンでは300万気圧近くでの粉末X線回折実験に成功し、その圧力領域で相転移を見いだした。
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