配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
研究概要 |
Lymnaeaの発生遺伝学的解析の基礎的データを得るため,受精卵からの発生各ステージの固定標本を作成し,組織学的観察を行った.また,最初の殼(原殻)が形成される前後の幼生ステージ,および成体の外套膜,筋肉,中腸腺より抽出したmRNAからそれぞれcDNAライブラリーを作成した.殻体の基質タンパク質についてはSDS-PAGEによる解析を行い,3種類のタンパク質を分離した.外套膜の左右でサブトラクションクローニングを行った結果,外套膜の外側(左巻き個体の左側)に特異的に発現している2つの遺伝子断片(LM11,LM24)の単離に成功した.LM11は,P-typeのATPaseであり,Ca^<2+>の能動輸送への関与が示唆される.LM24は,Zn-fingerドメインを持つ転写因子である(Endo et al.,2002).また,これらの遺伝子の機能を逆遺伝学的に解析するため,Lymnaea受精卵へのマイクロインジェクションの基礎的実験も行った.現在,RNA干渉法による解析の準備を進めている.一方,ホタテガイで単離されたMSP-1の配列を基に,同一殻体内にカルサイトとアラゴナイトという2種類の炭酸カルシウム結晶多形を有するアコヤガイにおいて,同様の部分配列を持つタンパク質Aspeinを単離した.Aspeinは,60%がアスパラギン酸から成る特異な基質タンパク質で,カルサイト殻層での特異的な発現が確認された.これにより,生体鉱物における結晶多形制御のメカニズム(カルサイト-アラゴナイト問題)という長年来の難問の解決の糸口が得られた(投稿中).
|