配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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研究概要 |
本研究は、海洋表層から供給されてきた有機物が海底の堆積物-水境界部(SWIと略す)における底生生物の活動によって消費・変質される過程を,海底現場での観測と室内実験を通じて明らかにすることを目的にしている。研究は,現場での観測と実験、室内での飼育実験を中心とした。(1)観測とサンプリングは,相模湾中央部の定点(1450m)と田辺湾で行った。定点では,海中をどのような有機物が沈降してくるのかを理解するために,海底直上ネフェロイド層の有機物を集めた。有機物組成はガスクロマトグラフで分析して同定し,沈降してくる有機物のキャラクタリゼーションを行った。(2)定点では,表層が未撹乱な堆積物試料を採集した。堆積物は表層より0.25cm毎に切り分け,有機および無機分析を行い,SWIの化学的な状態を推定した。有機物を消費する底生生物は,有孔虫類および多細胞メイオベントスを堆積物から分離し,群集解析を行い,生物量を推定した。(3)海底での有機物の摂取過程を明らかにするために現場有機物添加実験を相模湾の定点で行った。安定同位体でラベルした単細胞藻類を添加し,底生生物による摂取は種ごとに質量分析計を用いて定量した。(4)室内実験は,相模湾中央部で採集した海底表層堆積物を用いて行い,海底現場と同様の方法で有機物の摂取速度を測定した。また,様々な種の呼吸量とバイオマスを測定し,無機化速度を測定した。底生生物は,それぞれの生息位置にしたがい沈降有機物を選択的に摂取している。たとえばshallow infaunaは早く反応し,多量の有機物を摂取する。底生有孔虫は堆積物中の脂質の量の季節変動と同期したが,種によって異なった。これも,有機物を選択的に摂取する状況証拠である。
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