研究課題/領域番号 |
11440156
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
|
研究分担者 |
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
|
キーワード | ダイヤモンドアンビルセル / レーザー加熱 / 放射光実験 / コアーマントル境界 / 珪酸塩 / 珪酸塩鉱物 / 遷移金属酸化物 / 高圧相転移 / 下部マントル |
研究概要 |
本研究課題では、コアーマントル境界における諸問題に関する物質科学的な解明を目的として、改良型両面レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセル装置の作成を行い、下部マントルから核に至る条件での高温高圧力実験を行った。その結果、以下の成果が得られた。 (1)珪酸塩ペロブスカイトと鉄の高温高圧下での反応を30-60GPaの圧力範囲で調べた。本実験では出発相の珪酸塩ペロブスカイトをマルチアンビル型高圧装置で合成する事によって、これまで行われてきた同様の実験に対して反応関係の不明瞭さを無くした実験を行った。回収試料のX線解析パターンより30GPa程度の比較的低圧側でも溶融鉄と珪酸塩が反応してSiO_2や(Mg, Fe)0の他にFe-Si系の合金が生成されている可能性があることが分かった。 (2)(Mg, Fe)0に関して、レーザー加熱法と放射光を用いた100万気圧領域でのその場観察実験を行った。端成分のFe0では常温高圧相の稜面体構造相より高温側に従来の報告にある様なNiAs構造相が確認され、更に高温側にNaCl構造相が存在している事がわかった。一方で(MgX, Fe1-X)0(X=0.05,0.1,0.2,0.4,0.6)ではNiAs相は見られず、1500℃程度で稜面体構造相から直接NaCl構造相に転移することが分かった。 (3)SiO_2のポストスティショバイト相に関して、放射光を用いた高温高圧下におけるX線その場観察実験を行った。その結果、常温で約55GPa付近からCaCl_2構造相が観察され、レーザーを用いた高温実験ではおよそ2000Kの高温下でもこの相が安定に存在していることが分かった。また、P-T転移境界はわずかに正の勾配を持っている可能性があることを見出した。 (4)レーザー加熱を用いた鉄と水の直接反応に関して、反応領域がα鉄領域の場合は鉄水酸化物の高圧相が生成されているが、更に反応が進むと水素化物が生成されることが分かった。また、高圧側のε鉄領域では生成物が水素化物と酸化物になり、高温相であるγ鉄領域で反応した鉄は温度に対して一部凍結可能であるが、脱圧後すべての鉄水素化物は水素を離溶させてα鉄に戻ることが分かった。
|