研究課題/領域番号 |
11440163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
小島 秀康 国立極地研究所, 南極隕石研究センター, 教授 (10113896)
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研究分担者 |
今栄 直也 国立極地研究所, 南極隕石研究センター, 助手 (60271037)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
野上 謙一 独協医科大学, 物理学教室, 教授 (00103325)
寺田 健太郎 広島大学, 理学部, 助手 (20263668)
中村 智樹 九州大学, 理学部, 助教授 (20260721)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 宇宙塵 / 南極宇宙塵 / やまと山脈 / ドームふじ / とっつき |
研究概要 |
第37、38、39、41次越冬隊によって回収された宇宙塵の研究を行った。第37および38次の試料は、ドーム基地造水槽、第39次のがやまと山脈裸氷帯、第41次のがとっつき岬裸氷帯からの宇宙塵である。これらの試料をドライあるいは冷凍状態で極地研クリーンルームへ持ち込み、宇宙塵の拾い出し作業を行うとともに、極地研に設置された低真空SEM/EDSにより非破壊で宇宙塵の同定を行い、カタログ化するとともに、岩石鉱物学手法、地球化学的手法を駆使した多様な分析的研究を行った。 成果を出した主な研究手段としては、EPMA、高エネ研やSpring8での放射光施設を利用したガンドルフィーカメラによる構成鉱物とその存在比の同定、透過型電子顕微鏡、レーザーアブレーション希ガス分析、2次イオン質量分析による酸素同位体測定、放射光施設を利用したComputed Tomographyによる宇宙塵の3次元構造などが挙げられる。 中でも含水珪酸塩鉱物に着目した研究から重要な結果が得られた。すなわち、南極宇宙塵の過半数はもともと含水珪酸塩鉱物からなる。一方、含水珪酸塩からなる隕石は、水質変成した炭素質コンドライトに限られ、その割合は〜1%程度である。この宇宙塵と隕石とに見られる含水鉱物を主体とするサンプルの量の大きな違いは、含水鉱物の脆い物性と関連していることが我々の研究から明らかになってきた。 隕石との関連に着目すれば、最近落下した新しいタイプの水質変成した炭素質コンドライトに分類されたTagish Lake隕石は、南極宇宙塵と鉱物学的に共通した特徴を持つことが我々の研究により明らかになった。 南極宇宙塵は少なからず南極氷床において化学風化を受けていることも本研究で初めて明らかになった。このことは古い氷床中の宇宙塵よりも、新雪中に含まれる宇宙塵が研究試料として適切であることを意味した。すなわち、ドーム基地周辺での雪中からの細織的な宇宙塵採集が最も良い試料が得られることが明らかになった。 最終年度には、これまでの研究のまとめを行い、論文別刷および公開された宇宙塵のカタログ等とともに、300ページ以上の冊子を作成し本研究の報告書とした。
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