研究課題/領域番号 |
11440177
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関谷 博 九州大学, 大学院・理学学研究院, 教授 (90154658)
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研究分担者 |
大橋 和彦 九州大学, 大学院・理学学研究院, 助教授 (80213825)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | クラスターイオン / 水素結合 / プロトントンネリング / ZEKE / 電荷共鳴 / ab initio / 多次元ポテンシャル / 分子間相互作用 / クラスター / 超音速ジェット / イオン / 分子間水素結合 / プロトン移動 / 分子軌道計算 / 芳香族分子 / アニリン / 分子イオン / 電子スペクトル / 赤外スペクトル / レーザー / 多光子イオン化 |
研究概要 |
本研究においては、カチオン状態の振動分光を行うために、PFI-ZEKE光電子分光装置の設計・製作を行った。PFI-ZEKE光電子分光装置の他に、蛍光分光装置と赤外光解離分光装置を用いて研究を遂行した。本研究では、クラスターの中性状態についての研究とカチオン状態についての研究を並行して行った。トロポロン誘導体、9-ヒドロキシフェナレノン、アミノフェノールを溶質分子とし、CO_2、N_2、CO、H_2Oを溶媒分子とする新規なクラスターを初めて観測し、弱い分子間相互作用と強い分子問相互作用がクラスターの安定構造にどのように影響するかについて解明した。9-ヒドロキシフェナレノンとCO_2またはH_2Oとのクラスターにおいては、分子間相互作用が分子内プロトントンネリングに及ぼす効果について、多次元ポテンシャルモデルを用いて解析し、実験結果を合理的に説明することができた。アニリン置換体と水分子のクラスターの研究からは、芳香環への置換基の導入が水素結合構造に著しい影響を与えることを示した。4-アミノベンゾニトリルと水のクラスターにおいては三つの異性体を同定し、その中の一つの異性体のPFI-ZEKEスペクトルの観測に成功した。アニリン二量体、ベンゼン-アニリン二量体、ベンゼン-ベンジルアルコール二量体の光解離分光からは、水素結合作用、及び電荷共鳴相互作用のどちらが優先するかによってクラスター構造が著しく異なることが明らかされた。実験結果を高精度分子軌道計算から得られた情報と比較することによって、中性状態とイオン状態でクラスター構造が大きく異なる理由について解明した。これらの研究成果は、生体分子などの複雑な水素結合系についての解明、新しい水素結合系のモデルの構築に応用されることが期待される。
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