研究課題/領域番号 |
11440185
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉良 満夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004452)
|
研究分担者 |
岩本 武明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70302081)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
|
キーワード | 安定シリレン / 安定ジシレン / 光化学 / ジシラビシクロブタン / 反転シグマ結合 / スピロペンタシラジエン / ジシレン遷移金属錯体 / シラトリアフルベン / ジリチオジシラン / ジシレン白金錯体 / シクロトリシレン / スピロ共役 / シリレンラジカルアニオン / シラシクロヘプタトリエン / 光反応 |
研究概要 |
安定な14族金属配位不飽和化合物の合成、構造、および反応挙動を明らかにし、炭素を含めた14族元素の配位不飽和科学種の構造論と反応論の深化・革新に貢献することを目的として研究を行い、以下の成果を得た。 (1)安定なジアルキルシリレンとジクロロメタンやクロロメチルシクロプロパンとの異常反応を発見した。これらの反応挙動から、シリレンのアンビフィリックな反応性を初めて明確に示した。(2)安定シリレンの光励起状態の反応性を初めて見いだした。(3)ジアミノシリレンの二量体構造に関する論争に決着をつけた。(4)安定なジシレンのE, Z-異性化の機構と異性化の容易さに対する顕著な置換基効果を発見した。(5)ジシレンに対するアルコールおよびハロアルカンの付加反応の特異な機構を実験的理論的に明らかにした。(6)新しいシリルリチウム試薬として、1,2-ジリチオジシランを対応する安定ジシレンから合成した。(7)上記1,2-ジリチオジシランを用いて、1,3-ジシラビシクロ[1.1.0]ブタン系を初めて合成し、このものが、反転した架橋ケイ素-ケイ素結合を持つ事を明らかにした。(8)ジシレン白金錯体のX線構造解析に初めて成功し、このものがメタラシクロプロパン型構造であることを明らかにした。(9)ケイ素-ケイ素二重結合2個がスピロ共役した蝶ネクタイ型分子(スピロペンタシラジエン)を初めて合成した。X線構造解析、理論計算などに基づき、炭素類緑体でも知られていない、そのスピロ共役の様式と大きさを明らかにした。(10)極性の反転したケイ素-炭素二重結合を持つシラトリアフルベンの安定な誘導体の合成に成功し、その構造を明らかにした。 これらの科学を展開することによって、より包括的な新しい科学構造論と反応論を構築することに寄与し、次世代の創造的な科学技術を生み出す基礎を提供できたと考えている。
|