研究課題/領域番号 |
11440192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 長夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60124575)
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研究分担者 |
石井 和之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20282022)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 光磁性 / 励起多重項状態 / ポルフィリン / フタロシアニン / ニトロキシドラジカル |
研究概要 |
本研究では、幾つかの新規ニトロキシドラジカル(NR)結合型色素を合成し、その光磁気的物性の測定、解析を通して、新規な光応答型磁性を持つ色素の開発を目指した。これより、以下のことが明らかとなった。 1.NRと結合したフタロシアニン(Pc)、ポルフィリン錯体を合成し、励起三重項色素と二重項NR間相互作用を段階的に変えた。NRが配位結合したZnPc錯体では、相互作用のない励起三重項状態から励起三重項Pc-二重項NRから構成される励起四重項状態への変化を観測することが出来た。NRと共有結合したSiPcでは、励起多重項の寿命が励起三重項色素-二重項NR間相互作用の大きさに依存することを明らかとした。これらより、結合数、距離、電子交換相互作用、励起多重項寿命、電子スピン分極等の相関を明らかとすることができた。 2.2つのNRと共有結合したSiPcについて研究を行った。PROXYLラジカルと結合したSiPcでは、非常に短い時間で基底状態の磁気的性質を、熱平衡→一重項→三重項→熱平衡と制御することができた。このスピンダイナミクスは、微分方程式を解くことで定量的に解析した。この解析は、時間分解EPR、パルスEPR、過渡吸収法の併用により、実証された。 3.NR結合型SiPc結晶の磁気的性質に対する光照射効果を研究し、Pc色素をレーザー励起することで、磁性中心のβスピンをαスピンへ効率よく変換できることが解った。これより、常磁性結晶の磁気的性質を光制御することができた。 これらより、常磁性ラジカルの磁気的性質を光で制御するための新規指針を得ることが出来ただけでなく、色素-常磁性種間相互作用の基本的問題を明らかとすることが出来た。
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