研究課題/領域番号 |
11440196
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大久保 嘉高 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70201374)
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研究分担者 |
篠原 厚 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60183050)
山名 元 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30283683)
柴田 誠一 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80110708)
三頭 聰明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30005938)
横山 明彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80230655)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
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キーワード | 重元素 / 核壊変 / 内殻原子過程 / 逆内部転換過程 / 電子架橋過程 / 229-Th |
研究概要 |
重元素領域の化学は21世紀の大きなテーマの一つである。本研究では、その一つのアプローチとして、重元素領域の特徴である核壊変と内殻原子過程に着目した。核-原子分光では、「電子遷移による核励起(NEET)」を含む「逆内部転換過程」や「電子架橋過程」等が興味の対象となる。本研究では特に次の3項目を具体的目的とした。 1)核-原子分光の実験法の開発 2)核-原子分光の手始めとして、229-Thや235-Uに見られる非常に低い原子核の励起準位と原子系の相互作用の可能性を探る。 3)重元素領域の内殻原子過程(Fluorescence yield,Coster-Kronig transition,etc.)の基礎データの収集も可能な範囲で開始する。 この内、229-Thは非常に低い励起状態(229m-Th:3.5eV)の存在が指摘されており、もしその壊変が観測されれば初めての紫外光領域のγ線放出核種となる。本研究の期間内では、特に電子架橋過程の非常によい検証の場になる229m-Th壊変の観測を2種類の方法で試み、現在までに有望な結果を得ている。これまでに行われた研究と成果の概要を以下にまとめる。 ・ X-γやα-γコインシデンス測定システム(リスト形式)の構築……現有のガンマ線用半導体検出器とブロードタイプ半導体検出器(購入)を組み合わせたシステムを構築した。また、イオンインプラント型のシリコン検出器を購入し、α-γ同時測定用真空チェンバーを製作した。 ・ マルチパラメータデータ収集系(購入)の調整、及びデータ収集ソフトウェアの目的に合わせた改良と解析システムの整備を行った。 ・ 測定装置のテストと基礎データの収集のために、233-U及び229g-Thのα-γ測定を行っている。 ・ 233-Uの娘核種である229-Th中に数%229m-Thが生成することに着眼し、イオン交換法による迅速化学分離装置を作製し、233-Uから229-Thを分離し、超低レベル光子測定を行った。結果はまだ不確定要素が多く、現在システムの改良を行っている。 ・ 230-Th(γ,n)で生成する229-Thのα壊変を測定し、229m-Th起源のα線を探索し、その半減期を調べた。現在のところ、15時間の半減期を持つα成分が観測されており、229m-Thの可能性がある。現在、さらにS/Nを改善した実験を進めている。
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