研究課題/領域番号 |
11440212
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物質変換
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤森 憲 筑波大学, 化学系, 助教授 (90015983)
|
研究分担者 |
村田 重夫 物質工学工業技術研究所, COE特別研究室・反応機構斑, 主任研究官
松本 正勝 神奈川大学, 理学部, 教授 (10260986)
守橋 健二 筑波大学, 化学系, 助教授 (90182261)
岩井 伸一郎 物質工学工業技術研究所, COE特別研究室・反応機構斑, 研究官
加藤 隆二 物質工学工業技術研究所, COE特別研究室・反応機構斑, 主任研究官
MURATA S. NIMIC, COE Laboratory, Senior Researcher
IWAI S. NIMIC, COE Laboratory, Researcher
KATOH R. NIMIC, COE Laboratory, Senior Researcher
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
|
キーワード | メタ効果 / フォトソルボリシス / 光加溶媒分解 / 化学発光 / ジオキセタン / 項間交差 / 励起三重項 / 励起一重項 / 光トリガー / 光化学反応 / 光応答性保護基 / 光化学転位反応 / ヒロロキシルアミン誘導体 / 光加溶媒分解反応 / 転位反応 / 光分解反応 / ラジカル反応 |
研究概要 |
メタノール中の酢酸メトキシベンジル(I)の光分解において、メタ異性体(Im)はイオン分解生成物を多く与えるのに対し、パラ異性体(Ip)がフリーラジカル由来生成物のみを生成する理由は、「Imは励起一重項からIpは励起三重項からC-0結合開裂する」ためである事を実験で示した。これは、この問題を論争してきたZimmermanとPincockの主張とは異なる結末である。その理由として(a)Imの励起一重項寿命が1ns以下、Φ_f=0.01程度と小さいこと、C-0結合切断のΦ=1という事実から、S_1状態のImは項間交差をする前にC-0結合の切断を起こす、(b)他方、Ipの励起一重項寿命が7ns、Φ_f=0.2と大きく、C-0結合切断のΦ=0.8であることから、S_1状態のImのC-0結合切断は起こり難く、蛍光発光の他は励起三重項へと項間交差する、の二点を明らかにした。 もう一歩踏み込んで、では何故、S_1状態ImのC-0結合開裂は簡単に起こり、S_1状態Imのそれは項間交差より遅いのか?という理由を知るために量子化学計算を行った。ImのLUMOはC-0間に大きな反結合性を有するMOを形成しており、このMOに電子が昇位されると容易にC-0結合開裂を起こすことがわかった。他方、IpのLUMOはC-0間に全く反結合性を有するMOを形成しておらず、C-0結合開裂にはかなりの活性化エネルギーを必要とする遅い反応である事が示唆された。まず、以上の事が「メタ効果の本質」であることがわかった。 更に理解を深めるために、MOSEMIプログラムの溶媒効果を取り入れたAM1法を用いてImとIpのC-0結合開裂反応経路を計算し、Zimmerman機構とPincock機構を統一する事が出来た。
|