研究課題/領域番号 |
11440222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
関口 睦夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00037342)
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研究分担者 |
下川 英俊 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122792)
真田 正幸 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 自然突然変異 / 酸化グアニン / 自然発がん / 遺伝子ターゲティング / 遺伝子欠損細胞株 / DNA修復 / 遺伝子欠損マウス / 活性酸素 / 発がん / 遺伝子障害 / 大腸菌 / MTH1 |
研究概要 |
活性酸素はDNAやその前駆体ヌクレオチド中のグアニン塩基を酸化して8-オキソグアニンをつくるが、この酸化塩基はシトシンのみならずアデニンとも対合し得るので、その結果突然変異がひき起こされる。MTH1タンパクは8-オキソdGTPを分解する酵素活性を持っており、これによって8-オキソグアニンがDNA中へ入るのが抑えられ、その結果突然変異や発がんが抑制されると考えられた。それを実証するためにMth1遺伝子を欠くマウスを作出したところ、確かに肺や肝での自然発がんの頻度が野生型マウスより有意に増加していることがわかった。Mth1^<-/->細胞株について6-チオグアニン耐性をマーカーとして自然突然変異の頻度を調べたところ、その値は野生型株の約2倍であった。細胞の突然変異率が2倍に上昇したことで生体内の各種臓器における発がんの頻度が上がることは注目に値する。我々が注目する第2の問題はMTH1タンパクが完全に欠損しても自然突然変異率がせいぜい2倍しか上昇しないという事実である。大腸菌はMth1に対応する遺伝子としてmutTを持っているが、大腸菌mutT^-ミュータントの自然突然変異率は野生型株の約1000倍に上昇することが知られている。これらの事実は哺乳動物はMth1に加えて同様な機能を持つ別の遺伝子を持っていることを示唆する。MutT/MTH1に共通する配列を指標としてcDNAライブラリーを検索した結果、それらと共通する配列を持つ遺伝子を分離することができ、それをMth2と命名した。Mth2の産物は8-オキソdGTPを分解する活性を持っており、さらにMth2遺伝子を大腸菌mutT^-株中で強制発現させるとその自然突然変異率を著しく下げることが明らかとなった。現在Mth2ノックアウトマウスを作製中であり、これが得られた時にはMth1 Mth2二重欠損マウスを作出してその自然発がん率を調べることの意義が大きい。
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