研究課題/領域番号 |
11440234
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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研究分担者 |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | シアノバクテリア / 概日時計 / kai時計遺伝子 / ネガティブフィードバック / 蛋白質相互作用 / ATP / GTP結合能 / 時計蛋白のリン酸化 / センサーキナーゼ |
研究概要 |
平成11年度の研究開始以来、研究は順調に推移しており、これまでに以下の知見を得た。これらの成果の一部はすでに、Proc.NAS(2000),Cell(2000),Science(2000)に掲載されており、世界の研究者にも高く評価されているといえよう。 1)KaiC蛋白質のATP/GTP結合活性と概日リズム KaiC蛋白質には2つのATP/GTP結合モチーフp-loopが存在するが、KaiC蛋白質にATPが結合することを見出した。さらにこれに突然変異を導入することで概日リズムが完全に消失するとともに、ATPの結合も大幅に低下した。これはp-loopによるATP結合が概日振動発生に不可欠であることを示唆する。 2)Kai蛋白質の振動とリン酸化 3つのKai蛋白質がいずれもmRNAのリズムに比べ8時間ほど遅れた位相で振動することを確認した。また、KaiC蛋白質は細胞内でリン酸化されており、このリン酸化のレベルも概日振動を示し、概日振動の発生にKaiC蛋白質のリン酸化が重要であることが示唆された。さらに、いくつかの突然変異体ではこのリン酸化レベルの異常が確認された。 3)KaiC蛋白質と相互作用するヒスチジンキナーゼSasA SasA破壊株ではKaiCの発現が極めて低下し、概日リズムも低振幅となった。従ってSasAはkaiC発現を増強することで安定した振動を実現していると考えらる。 4)KaiAによるKaiCリン酸化の促進。 KaiAの共存によりKaiCのリン酸化が著しく促進されることを見いだした。これはKaiCによる振動活性化を示唆するものである。 5)シアノバクテリアの概日時計の位相変位に関するフィトクローム相同遺伝子cikAの発見。光による時計のリセット機能がフィトクローム相同遺伝子cikAの破壊により大きく阻害されること見いだした。
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