研究課題/領域番号 |
11440235
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳥山 尚志 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (40013338)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
キーワード | 孔辺細胞 / アブシジン酸 / プロテインキナーゼ / ABRキナーゼ / カルシウムチャネル / AtTPC1 / サリチル酸 / 活性酸素 / AAPK / AAPKキナーゼ / KAT1 / カリウムチャネル |
研究概要 |
我々は、ソラマメ気孔孔辺細胞をアブシジン酸(ABA)処理すると、サイトソルCa^<2+>濃度([Ca^<2+>]_c)上昇に続いてプロテインキナーゼ(ABRキナーゼ)が特異的に活性化されることを見出している。ABAによる気孔閉孔の分子機構解明を目的として本研究は行われた。ABRキナーゼはK^+チャネルKAT1を特異的にリン酸化し不活性化させた。KAT1不活性化によるK^+流入抑制が気孔閉孔機構の一部であると推測される。ABRキナーゼと同一と考えられるAAPKがAssmannによってソラマメからクローン化されたので、その配列を利用してシロイヌナズナcDNAライブラリーからAAPKをクローン化し、His-tagを付加して大腸菌で発現させた。予想される質量42kDがSDS-PAGEで得られたが、この蛋白質はプロテインキナーゼ活性を持たなかった。抗-His-AAPK抗体によるWestern blotはAAPKが孔辺細胞特異的に存在することを示したが、その質量は48kDであった。この結果はAAPKが翻訳後修飾を受けていることを示唆しており、これ酵素活性の発現に必要である可能性がある。AAPKをABA処理した孔辺細胞抽出液とインキュベートするとリン酸化され、AAPKキナーゼ(AAPKK)の存在が示された。AAPKKはAAPKに先だって活性化された。これらのキナーゼはABAシグナル伝達経路で、カスケードを構成していると考えられる。この下流でKAT1がリン酸化される。キナーゼカスケードの上流で[Ca^<2+>]_c上昇を担うのはCa^<2+>チャネルである。シロイヌナズナゲノム情報を利用してAtTPC1のクローン化に成功した。AtTPC1は、動物の電圧依存性Ca^<2+>チャネルαサブユニットの一般的構造である4ドメイン構造の丁度半分に相当する新規な構造をもつチャネル蛋白質であった。AtTPC1は酵母の仮想的Ca^<2+>チャネル欠損変異体cch1のCa^2取り込み活性を回復させた。また、Ca^<2+>依存性発光蛋白質エクオリンを導入したシロイヌナズナのショ糖応答性発光を利用した解析によって、AtTPC1は電圧依存性Ca^<2+>透過チャネルであることが間接的に証明された。
|