研究課題/領域番号 |
11440244
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
道端 齋 (道端 齊) 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00111740)
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研究分担者 |
植木 龍也 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10274705)
宇山 太郎 広島大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60232914)
金森 寛 富山大学, 理学部, 教授 (00019001)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1999年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | ホヤ / バナジウム / 濃縮 / 還元 / cDNAクローニング / 金属結合 / 金属濃縮 / 酸化還元 / 組み換えタンパク質 / 遺伝子クローニング / 金属結合タンパク質 |
研究概要 |
この2年間で我々は以下の成果を挙げた。1.バナドサイトの細胞質から濃縮のカギを握る12.5kDa、15kDaと16kDaの3種類のVanabinをコードするcDNAの全長をクローニングし、2.それらの遺伝子の解析によってVanabinは{C}-{x(2-4)}-{C}という特徴的なモチーフの繰り返し配列を持ち、金属イオンと結合し易いシステインを約20%も含むタンパク質であること、3.NMRによって主にαヘリックスから成る新規のタンパク質であること、4.Vanabin1モルに約20原子のバナジウムが結合し、その結合定数は10^<-7>Mであることを見出した。現在、5.部位特異的変異法によってバナジウム結合部位の特定を進めている。 一方、バナジウム濃縮のエネルギー機構を解明するため、6.その共役エネルギーの供給に携わる液胞膜のV-ATPaseのA,B,C,Dの各サブユニットの遺伝子の全長を明らかにした。7.その中でホヤに特有な配列を多く持つCサブユニットに着目して、Cサブユニットの機能を欠失した酵母にホヤのCサブユニット遺伝子を導入してプロトン輸送が回復することを確認した。このことはCサブユニットが高濃度のプロトン輸送に関わる可能性を示唆する。 さらに、バナドサイトでの金属イオンの濃縮機構の全容を解明するための基礎固めとして、8.バナドサイトのEST解析を行って、約300個の遺伝子を得た他、9.バナジウムアフィニティカラムを作製し、バナドサイトのホモジェネイトや可溶化した膜タンパク質さらに血漿中の金属結合タンパク質を網羅的に探索し、現在までに約50種のタンパク質を抽出した。10.得られたタンパク質の中で未知のタンパク質の金属イオンの濃縮機能をアッセイするための機能発現系を構築しつつある。また、11.バナドサイトの細胞膜と液胞膜からそれぞれ金属輸送体、金属ATPaseさらに硫酸イオン輸送体のホモログを複数個検出した。 この基盤研究によって、金属イオンの高選択的濃縮機構の解明に直接関与すると思われるVanabinの機能と構造を解明する手掛かりを得たばかりでなく、金属イオンの還元機構とその濃縮のエネルギー機構を解明するための基礎的要素を抽出することができ、研究は大きな展開点を迎えている。
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