研究課題/領域番号 |
11450017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 洋右 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00167181)
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研究分担者 |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
薛 其坤 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
中山 幸仁 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50312640)
薜 其貞 (薛 其貞) 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323093)
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
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キーワード | 仕事関数 / 表面電子状態 / 走査トンネル顕微鏡 / パラジウム / 金 / 薄膜 / 局所仕事関数 / 表面ポテンシャル / 表面歪み |
研究概要 |
仕事関数は表面の形状や吸着状態にその値が大きく依存することから、表面科学の分野ではその初期のころから重要な物理量と考えられ、多くの研究がなされてきた。しかしながら、これだけ重要な物理量でありながら、表面での原子レベルの構造や電子状態との関連については必ずしも明らかにはされていないのが現状である。本研究では、最近我々のグループで開発した走査トンネル顕微鏡(FI-STM)による局所仕事関数測定手法やマクロな仕事関数測定法であるケルビンプローブ法を併用して、この問題、特に薄膜系での仕事関数に関してその膜厚依存性及び表面近傍での原子レベルでの歪み、ステップ・欠陥等の原子構造や組成のゆらぎに起因した特性を原子レベルでの解明を目的とした。 固体表面上の薄膜の膜厚依存性に関して、表面準位のエネルギーレベルがフェルミ準位を横切る際に仕事関数はピークを示すことが我々の実験および理論的考察により予想されている。本研究では、Au(111)表面にパラジウムを蒸着し一原子層からなるパラジウム薄膜を形成し、その表面をSTMにより観察した。薄膜ではないバルクのパラジウム表面には表面準位は存在しているが、フェルミ準位より高いエネルギーレベルに存在するため電子は占有しておらず、したがって電子定在波は観察されない。しかしながら、薄膜の場合には、電子定在波が観察されている。これは、パラジウム薄膜形成によりポテンシャルが変わるために表面準位のエネルギーレベルが変化し、フェルミレベル近辺に表面状態が発生するからである。このように表面状態と仕事関数とは密接に対応していることが明らかとなった。
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