研究課題/領域番号 |
11450025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 和男 (黒田 和夫) 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
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研究分担者 |
的場 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20282593)
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90196543)
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
芦原 聡 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10302621)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | InGaAs / GaAs量子井戸 / フォトリフラクティブ素子 / 近赤外線 / エキシトン共鳴 / フランツ・ケルディッシュ効果 / 量子閉込めシュタルク効果 / 実時間ホログラム / 実時間ホルグラム / InGaAS / 量子閉じ込めシュタルク効果 |
研究概要 |
フォトリフラクティブ材料は光の照射によってダイナミックに屈折率が変化する材料であり、将来の通信ネットワーク時代に向けた高速・並列光情報処理素子、高速の適応型光振動センサー、近赤外光を用いた生体計測用素子など光機能デバイスとして応用が期待されている。本研究は、フォトリフラクティブ材料の中でも最も高機能化が期待できるInGaAs/GaAs半導体量子井戸構造物質の基礎研究を行うことを目的とした。主な成果は以下の通り。(1)光励起されたキャリアの寿命と拡散係数を時間分解測定法で測定した。キャリア寿命はプロトン打ち込みにより半絶縁化した試料で100ps程度であった。(2)量子井戸層を絶縁層SiO2ではさみ、井戸層に垂直に電場をかける縦型配置の素子を作成した。この配置では量子閉込めシュタルク効果を用いるため、フランツ・ケルディッシュ効果を用いる横型配置より高感度化が期待できる。事実、回折効率で20倍程度の性能向上が達成された。しかし、空間分解能が低下してしまった。(3)空間分解能を向上するため、SiO2絶縁層の代わりに、GaAs低温成長半導体層を用いる素子を作成した。この結果、空間分解能を著しく改善することができた。(4)これまでの素子の動作波長は950nm前後であったが、世の中に広く普及しているNd:YAGレーザーの波長1064nmで動作する素子を作成した。InGaAs/GaAs量子井戸のエキシトン吸収の波長を1064nmとするためには、Inの組成比を増やさねばならず、InGaAs層とGaAs層の間の格子定数の不一致が大きくなり、歪みが入るため結晶成長が困難であったが、歪みを平均化するバッファー層を加えるなどの工夫により、良好な量子井戸構造を作成することに成功した。
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