研究課題/領域番号 |
11450028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
多田 邦雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00010710)
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研究分担者 |
盧 柱亨 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50313474)
荒川 太郎 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40293170)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1999年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | ポテンシャル制御量子井戸 / 5層非対称結合量子井戸 / 光変調器 / 光スイッチ / 電界誘起屈折率効果 / 分子線エピタキシー / MEE法 / 層厚揺らぎ / 光変調デバイス / 電界誘起屈折率変化 |
研究概要 |
本研究では、ポテンシャル制御量子井戸の一つである5層非対称結合量子井戸(FACQW)の作製およびFACQWの超高速・超広波長域光制御デバイスへの応用に関し研究を行い、以下のような成果を得ることができた。 (1)FACQW構造の作製と評価 分子線エピタキシー(MBE)法を用いて、反射高エネルギー電子線回折(RHEED)強度振動測定により精密に層厚制御したGaAs/AlGaAs系FACQWおよび多重矩形量子井戸(RQW)を作製した。フォトルミネセンス法、光吸収電流法により評価を行い、設計通りの構造ができていること、および電界誘起吸収係数変化の傾向が理論と一致していることを確認した。 (2)層厚ゆらぎがFACQWの電界誘起屈折率変化特性に与える影響 理論計算により、FACQWの各層厚がずれた場合の影響について検討を行い、以下のことが明らかになった。なお、電界誘起屈折率変化量をΔnとする。 (1)FACQWの各層が設計値からずれた場合、障壁層よりも井戸層のずれの影響が大きい。 (2)FACQW全体が一定の割合で層厚が厚く、または薄くなった場合はΔnの劣化はほとんどない。 (3)電界誘起屈折率変化-印加電界特性において、ある印加電界でのΔnの急激な落ち込み(ディップ)が存在する。このディップは、障壁層の位置をわずかに移動することで除去が可能である。 (4)FACQW全体に、ランダムな層厚ゆらぎが生じた場合の特性劣化について検討を行い、各層厚が±1分子層揺らいでも、Δnは本来の値の約40%程度にまでしか低下しない。 (3)MEEによる高品質量子井戸構造の作製 成長界面の平坦性・急峻性を高めるため、より低温において平坦かつ急峻な界面が実現できると期待されるMEE(Migration Enhanced Epitaxy)法を導入し、結晶成長条件の最適化を行ない、界面の平坦性と急峻性が良好で正確な膜厚をもつFACQWをできるだけ低温で作製する方法を研究した結果、良好なGaAs/AlGaAs系FACQWを作製できる見通しを得た。
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