配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
弾性振動子は,他の電子素子や機構部品に比べ,高い周波数安定性(10^<-6>オーダ)と低いエネルギ損失性(減衰比10^<-5>オーダ)をもつ.従来は加工の制約などから,計時にしか用いられなかったが,近年のマイクロマシニング技術の進歩により,SPMの探針,レーザスキャナ,モータなど,新しい応用が開けてきた.これら機器の性能を支配するのは周波数および振幅安定性であり,これは振動子のエネルギ損失により決定される.本研究では,種々の振動子におけるエネルギ消費の評価技術を提案するとともに,振動子を用いた新しい情報・精密機器を製作した具体的には以下の成果を得た. 1.振動子における最大の損失原因である,空気抵抗の定量的解析法を明らかにした.振動子が微小であることを用いて,ナビェストークス方程式の近似解を導出し,簡便に減衰比を求められるようにした. 2.第2の減衰要因である材料内部摩擦を,簡便かつ精密に計測する装置を製作したマイクロホンにより振動音をとらえるもので,減衰比10^<-6>の精度を有する. 3.振動子の応用例として,AFMにより湿潤面を測定する振幅制御法を考案した.振動子がもつ運動エネルギを茅面張力による吸着エネルギより小さくすれば液体表面が,大きくすれば固体表面が計測されることを示した. 4.第2の応用例として,腕時計に用いる振動子摩擦駆動モータの最適設計条件を明らかにした.衝突損失,摩擦係数などと回転効率の関係を理論と実験により詳細に検討した. 5.通常サイズの振動子の例として,バイトの摩耗を切削振動から検出するシステム,および,振動エネルギを入力とする発電機を製作した.
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