配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究は,希薄混合気において特に重要となる、予混合乱流燃焼場での選択拡散効果の直接的な検証と定量化、並びに選択拡散効果を積極的に応用する予混合乱流燃焼促進手法の開発を目的に検討を行った。主な結果を次に示す. 1.瞬間火炎断層写真から火炎表面積を算出した.同一条件では他の不活性ガスに比較してHe混合気は小さな値を示し,また水素混合気では不活性ガスをCO_2とした場合の表面積が若干,N_2やArの場合に比較して大きくなる傾向にあった.しかしながら,これら不活性ガスに起因した火炎表面積の差異は乱流燃焼速度特性の差異を定量的に説明するには小さく,概ね従来の考えと同じく同一条件では,乱れ強さと層流燃焼速度の比u'/S_<LO>に比例した値となることがわかった.したがって,選択拡散効果に起因した局所燃焼速度の変化が重要であることが確認できた. 2.連続火炎断層写真から,局所燃焼速度に相当する換算局所火炎変位速度S_Fを算出した結果,従来の考えと異なり,火炎面の燃焼速度であるS_Fは,一定値ではなく広い範囲に分布していた. 3.水素,メタン希薄混合気では,希薄なほど未燃ガス側に凸な領域で高いS_Fを示す傾向にあった.一方,プロパン過濃混合気では,過濃なほど未燃ガス側でのS_F値は大きくなる傾向を示した.この結果は,選択拡散効果により説明できる.したがって,このS_F値をもちいて予混合乱流燃焼場での選択拡散効果の直接的な検証と定量化を行えることが明白である. 4.本研究により,混合気の分子拡散特性を操作することにより乱流燃焼時の分子選択拡散効果を有効に利用し予混合乱流燃焼を促進できる手法が明らかになった.すなわち,燃料には酸素より拡散係数が大きな分子を,不活性ガスには酸素より拡散係数が小さな分子を用いることにより,希薄混合気の乱流燃焼速度は促進できる.
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