配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
2005年実施予定の宇宙ステーションにおける実験に向けて,ハーフゾーン液柱内マランゴニ対流に関する実験及び数値計算を行った.シリコーンオイル液柱を上部(加熱)及び下部(冷却)ディスク間に形成して,液柱両端面間に温度差を実現し,温度差表面張力対流場を発生させ,その対流速度場,温度場に関して解析を行った.マランゴニ対流の強さは,無次元数であるマランゴニ数Maを用いて表される.当該対流場においては,Maが閾値を越えると,2次元定常流から3次元非定常流(振動流)へと遷移することが知られている. 実験においては,低温環境下で実験を行うことにより,試験流体の蒸発を抑制しつつ,高Ma状態を付加することに成功した.また,3次元PTVを当該実験系に適用し,直径5mm高さ1mm程度の液柱内流れ場の3D速度場の再構築を行った.本研究において行った内容は以下の通りである.(1)液柱径及びアスペクト比,流体動粘度をパラメータとして,振動流遷移条件及び遷移後のモード構造の解析,(2)定常流場及び振動流初期における3次元PTVによる流れ場解析,(3)高Ma付加時における新たな脈動・回転振動流場の発見,更に(4)カオス的流れ及び乱流状態の実現,それらの流れ場のカオス解析,である.また,数値計算においては,(1)高プラントル数流体,高マランゴニ数状態に対応する計算コードの開発,(2)高Ma付加時におけるカオス的流れ場の非線形解析を行った. これらの研究成果は,当該体系における流体現象に関する知見の蓄積だけでなく,宇宙実験実施にあたり,実験パラメータの設定およびデータ解析方法の確立において非常に重要な知見となり,宇宙実験の成功に向け不可欠な成果であると言える.
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