配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
本研究は,圧電材料にセンシング機能と駆動機能が共存することや,高周波領域におけるセンシング特性ならびに駆動特性が優れること,さらにさまざまな形状に形成しやすいことに着目し,圧電センサ・アクチュエータを用いた簡単かつ実用的な構造物のヘルスモニタリングシステムを開発するための基礎研究である。 初年度では構造物の基本要素であるはりについて実験ならびに理論解析を行った。得られた結果によると,圧電素子の電気的インピーダンス波形変化とひずみ定在波モードの関係を利用し,縦弾性波の各ひずみモードに対応するインピーダンス波形変化を評価することで,損傷位置と大きさを定量的に同定する手法を提案した。次年度では,ノートパソコンで行える簡易型圧電素子インピーダンス計測デバイスならびにインピーダンスを算出するためのソフトウエアの開発を行った。基本的に圧電素子に抵抗あるいはコンデンサなどを直列につなげ,AD/DAボードを経由してコンピュータから圧電素子に電圧を印加すると同時に圧電素子の出力電圧も計測し,入力電圧と得られた出力電圧の位相差を高精度に計測するための回路素子パラメータの選出ならびにインピーダンスを算出する手法を開発した。最終年度には,損傷の定量評価法を確立するため,橋梁などに近いトラス構造を試作し,損傷を容易に再現できるジョイント部のボルトの締め付け具合を例にとって,実験ならびに理論解析を行い,ボルトの緩み具合などによる構造損傷を定量的に評価する手法を開発した。また,得られた実験結果に基づき,縦弾性波解析モデルをたて,構造物損傷を定量的に評価するための計測法ならびに三つの損傷評価指数を提案した。さらに,大量の実験を行い,本提案した計測法と損傷評価指数の有効性を検証した。今後,本研究開発した計測法ならびに損傷評価指数を取り入れた構造物ヘルスモニタリング計測評価システムを構築し,実用化を目指していく。
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