研究分担者 |
中尾 政之 東京大学, 工学系研究科, 教授 (90242007)
加畑 博之 (加畑 博幸) 京都大学, 工学研究科, 助手 (70293884)
小寺 秀俊 京都大学, 工学研究科, 教授 (20252471)
畑村 洋太郎 東京大学, 工学系研究科, 教授 (40010863)
松本 潔 東京大学, 情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
本研究は,基板の微細構造を創成するマイクロマシーニングの手法と工具の物理的マニピュレーションの手法を組み合わせることにより,染色体を展延してその構造や特定の遺伝子のDNA上での位置を解析し,さらに任意の位置での遺伝子の切除・改変を行う技術(染色体のマイクロサージェリー)を開発することを目的とした。その結果,次の成果が得られた。1)動植物などの高等生物の細胞分裂期に現れるX字型の染色体からDNAを巻きほどく手法につき、対象に大きな流体力学的なストレスを加えずに,タンパク分解酵素やその阻害剤をタイミングよく添加するためのマイクロデバイスを開発し,適度に弛緩した染色体からレーザーマニピュレーションによりDNAを引き出すことに成功した。また,染色体を局所的に巻き戻すためには,レーザーによる局所加熱が有効であることを示した。2)酵母の細胞骨格を分子リンカーで架橋することにより籠状構造とし,1細胞の持つ染色体をひとまとまりとして閉じ込め、FISH(Fluorescent in situ Hybridization)を行う手法を開発した。また,固体表面上に固定した籠上構造を部分的に破壊し,電気浸透流によりDNAを引き出す手法を開発した。3)ガラス毛細管やAFMチップの先端にEBD(Electron Beam Deposition)により数10nmの太さを持つプローブを成長させる手法を開発し,これを用いて,撥水処理した基板上に固定されたDNAのねらいの部分を切り取り回収できることを示した。これらにより,従来の試験管ベースの生化学と異なる,分子上の位置を意識した生化学,すなわちバイオナノテクノロジーの基盤技術が確立された。
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