研究概要 |
この研究で得られた研究成果をまとめると次のようになる. (1)カメラのそばに設けたノーズ(鼻)への反射像を被写体と同時に撮影することにより,光源の色と明るさによって変わらない映像を取得できることを示した.参照鼻表面は小さい画像部分に滲んだ情景を映すように設計されていて,小さい画像部分は対応した主画像のすべての画素の色修正に利用される.その対応(マッピング)は情景の奥行き距離の影響をわずかに受けるが,その影響は参照鼻位置をレンズに近づけることにより軽減し得ることを示した. (2)ステレオカメラ法により平面各部までの距離を実時間で得ることを可能としたが,この結論の応用として,曲面表面に縦縞の色帯を表示するか塗布することにより曲面各部までの距離取得が可能なことを示した. (3)平行境界線を含むあらゆる角度の境界線までの距離情報を取得するために互いの走査線が直交するように設置した一対のステレオカメラを用いる高速距離取得装置を開発した.この装置は,ビデオ信号分配回路,RGB変換回路,色判別回路から構成されている.ビデオ信号分配回路からの同期信号により4台のCCDカメラは電気的に同期駆動されている.CCDカメラからのビデオ信号はRGB変換回路より,アナログRGB信号に変換される.色判別装置はRGB信号を相対的に比較し,判別結果を符号化したカラーコードとして視差計測装置に出力することが可能である. (4)画像融合方法と装置の有効性を確認するために,色標識に対する距離取得実験を行った.取得率は,理想的視差画像が持つ標識領域の画素数に対して,視差画像における距離情報を持つ画素数の割合であり,正答率は取得した画素数のうち誤差±5%の範囲の距離を持つ画素数の割合を表す.一組のステレオカメラを用いた場合の取得率は92.38%,正答率は89.00%であるが,この研究で開発した画像融合方法によると,取得率は95.59%,正答率は93.08%であり,この方法がかなり効果的なことを実証した.
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