研究分担者 |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70171634)
鵜飼 裕之 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40135405)
松井 信行 名古屋工業大学, 副学長 (30024285)
川田 昌武 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00303686)
岩崎 誠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10232662)
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研究概要 |
1.広域での電力系統状態量の時間同期計測システムを開発した.ソフトウェアとして離散的DFTアルゴリズムに基づくフェーザ変換法を,ハードウェアとして高速信号処理プロセッサDSPを用いている.GPS信号に同期したサンプリングにより,多地点での同期計測が可能であり,実測データより位相同期精度0.8度以内を実現.DSPにおいて再帰的DFTにより演算された状態量(高調波有効電力・無効電力など)から各ノードにおける高調波フロー・高調波インピーダンスのリアルタイム解析が可能であることが検証できた. 2.時間同期計測システムによるフェーザ計測法に基づく安定度解析・評価法の構築を目的として,実測フェーザによる発電機コヒーレントに着目した系統縮約化アルゴリズムを提案した.これをハイブリッド型リアルタイムシミュレータPSAによる実験データに適用した結果,脱調傾向にある発電機群のリアルタイム予測が可能であることが明らかになった. 3.高調波抑制のためのアクティブフィルタに関する研究として,並列形アクティブフィルタをディジタル制御する場合,3相電流を電源周波数に同期した回転座標変換により,基本波成分は直流量,高調波成分は交流量と変換され簡単に高調波電流を検出できることを示した.この検出方式を用いて高調波補償をする場合,サンプル周期と高調波補償特性の関係を導出し,基本波周波数60Hzに対して13次高調波電流までを補償するためには,サンプル周期を130μs以下にしなければならないことを明らかにした. 4.高機能系統安定化装置(PSS)のロバスト制御系設計法として,部分パラメータ同定に基づく手法を提案し,未知の系統パラメータを一機無限大系統として縮約化したモデルに対してH∞制御に基づくロバスト制御装置を設計した.また,同じくゲインスケジューリング理論に基づく制御手法を提案した.種々のシミュレーションにて検証の結果,提案する安定化装置は,複雑化かつ大規模化する電力系統において生じる系統故障にフレキシブルに対応できることが明らかになった. 5.FACTS機器応用の一つであるUPFC(Unified Power Flow)の制御法として,有効電力と無効電力の非干渉制御設計法を提案した.変換器容量1KVAの試作システムを用いた実験により,電圧飽和がある場合にも良好な制御効果があることが明らかになった.
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