研究概要 |
1.平成11年度の研究成果 (a)n型6H-SiCへの低抵抗p型ドープ層の形成と電気的活性化率の評価 水素希釈したTMA/H_2(トリ・メチル・アルミニウム0.2%)ガス圧100Torr、レーザー照射パルス数(エネルギー密度1.2J/cm^2、10Hz)を1000-8000ショットの間で変化させてドープされるAlの深さ分布をSIMSで評価した。Alの濃度分布は表面から10-30nm(表面分布)と20-100nm(内部分布)の領域に分布し、二つの補誤差関数の和として評価できることを明らかにした。Alの濃度分布を照射パルス数により制御できることが判明した。Alドープ層のホール効果、I-V特性、フォトルミネセンス(PL)測定によりドープ層のp型伝導を確認した。 (b)nおよびp型6H-SiC基板への極薄低抵抗オーミック電極作成技術の確立 n型に対してW/Ti電極、p型に対してAl/Ti電極をKrFエキシマ・レーザー照射により作製し、標記の目的を達成する条件を確立した。n及びp型基板に対して接触抵抗値6.7x10^<-5>および1x10^<-3>cm^2の表面荒れの少ないオーミック電極を得た。基板・電極間は急崚な接触層が形成され、薄い電極を実現した。 2.平成12年度の研究成果 (a)n型6H-SiCへの高Alドープ層の低抵抗化 TMA/H_2ガス圧10,100,200Torr、KrFエキシマ・レーザーのエネルギー密度1.2J/cm^2、照射パルス数1000の条件でドーピングしたAlは表面領域0〜20nmと内部領域20-100nmに分布し、分布形状は補誤差関数で近似できる事を再確認した,両分布ともTMAガス圧の増加と共にAl濃度は増加し、内部領域Al分布の表面濃度換算値は、それぞれ9.0x10^<17>,4.5x10^<18>,2.7x10^<19>cm^<-3>と評価された。 (b)pn接合ダイオードによる紫外線センサの試作 N濃度2.5x10^<15>cm^<-3>のエピ層にTMA/H_2100 Torr,8000パルスの条件でレーザー照射して作製したAlドープp型反転層上にレーザー照射によるTi/Alオーミック電極を形成しpn接合ダイオードを作製した,そのUV分光感度は波長330nmに最大値を持ち、外部量子効率は41%であった。 (c)20eV-N^+イオンを用いたp基板へのNドーピングを検討したが、SiN_x膜形成のため現時点では成功していない。
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