配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
初年度において,電力用デバイスの電気絶縁・放熱膜として利用可能な窒化アルミニウム(AlN)膜を生成する場合,従来のシールド型真空アーク蒸着装置を用いて基板台に印加するバイアスによって生成膜の配向性が変化することを明らかにした。また,AlN膜の他(Al, Ti, Cr, Cu, Znの窒化物および酸化物薄膜)にこの手法がドロップレット除去に有効であることも明らかにした。しかし,この手法では,成膜速度が1/3〜1/5に低下してしまうという問題があった。そこで,これらの問題を解決し,安価にかつ高速に薄膜を生成する装置開発を目的とし,拡張シールド型真空アーク蒸着装置を設計・製作した。同装置は,ドロップレットを遮蔽するシールド板背後のイオンを,磁界を用いて基板方向に収束させるものである。 第2年度は,拡張シールド型真空アーク蒸着装置の機能性評価を行った。その結果,磁界の方向および磁束密度を適切な値に設定することにより,5倍以上の成膜速度が得られることを明らかにした。この値は,シールドなしの場合の成膜速度より高い。 最終年度では,拡張シールド型を更に改善した改良型拡張シールド型装置を製作した。同装置はシールド板に超伝導体を用いたもので,マイスナー効果を利用してシールド板に堆積するイオンを減少させ,基板へのイオンの輸送効率化を図ったものである。その結果,拡張シールド型よりも成膜速度を増加することができた。一方,ドロップレットフィルタダクトを有する直線状およびトーラス状磁気フィルタ型真空アーク(一般に,フィルタードアーク)蒸着装置も設計・製作した。その結果,Al陰極を用いた場合,直線状磁気フィルタ真空アーク蒸着装置ではAlドロップレットを除去することが困難であるが,トーラス状装置を用いると極めて効率的にAlドロップレットを除去することができることを明らかにした。
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