配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
我々が開発した一定風量下ディッピング法およぴ面延伸法によりポリシラン配向膜を作製した.面延伸法では延伸率200%以上,主鎖の80%以上が膜厚方向に配向した高品質膜が得られる.芳香族置換基をもつ場合,主査配向したものの内90%以上が側鎖のリング面を主鎖に垂直,直鎖アルキル基の場合,主鎖に垂直面内にトランス面をもつ構造をとる. ギャップ内準位については光熱偏向分光分析法により調べた.(MeSiPh)_nの場合,配向によってアーバッハエネルギーが小さくなり合わせて深い準位密度が約1桁減少し,電子状態に分子配列の規則性が反映される.また,主鎖のσ共役長(セグメント長)に着目すれば,配向により長くなりしかも分布が揃う. 正孔の移動度については(MeSiPh)_nついて調べ配向によって1桁上昇したことを確認した.ディスオーダーモデルの解析により,配向によって,正孔のポーラロン結合エネルギーの減少とホッピングサイト間の平均距離の減少は達成されたが,その距離揺らぎやホッピングサイトのポテンシャル揺らぎが大きくなり,移動度の増加が予測より小さくなったと結論した. 芳香族置換基をもつポリシランは特有のキャリアトラップセンタをもつ。つまり、室温では光キャリアの存在によって,接近した2つの芳香族基がπ-π状態をつくりキャリアをトラップする。トラップされたキャリアは室温より低温域の分子の吸熱運動によってのみ放出される.一般に,このキャリア放出は配向により高温側で優先的になりその放出速度は速い.これは分子間相互作用により分子の剛直性が増したことを意味し,ポーラロン結合エネルギーの減少と符合する. 分子間相互作用はポリシランの紫外光による主鎖開裂にも反映され,配向によって光主鎖開裂断面積が3桁も小さくなる.この開裂反応は熱活性化型であるが,配向による秩序性の向上により活性化エネルギー幅も小さくなる.
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