研究課題/領域番号 |
11450140
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
宮崎 保光 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023169)
|
研究分担者 |
増田 忠弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (50293759)
黄 新民 愛知工科大学, 助教授 (00262973)
後藤 信夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (60170461)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | X線全反射 / X線ファイバ / 多層膜導波路 / 曲がり導波路 / X線機能素子 / 等価屈折率 / 屈折率分布 / テーパ状導波路 / 多層膜構造 / 多重散乱 |
研究概要 |
X線導波路、X線機能素子の基礎研究として、理論的実験的検討を行い、以下の良好な成果を得ることができた。 1.原子レベルでの媒質中のX線の反射・散乱特性を解析するために原子を一様な誘電体円柱とし、誘電体円柱の円柱列のモデルにより、媒質にX線を入射させたときのX線の反射・散乱特性を境界要素法により解析した。境界要素法に対して並列計算を適用し、150本程度の円柱による散乱の評価が可能になった。 2.波長と同程度の原子の等価屈折率を求めるため、原子内電子の運動を考慮することにより、不均質屈折率散乱体モデルを用い、単原子によるX線の散乱解析をより厳密に行うことができた。パラメータとしてX線の入射により影響を受ける電子のエネルギー準位を用いている。入射により励起される電子と屈折率分布とは非常に大きな相関があり、X線の強度分布解析の結果が原子内部の屈折率分布と相関を持っていることが確認された。求めた屈折率分布と、Henkeらによって既に求められた物質の屈折率を比較し、妥当な結果であることが示された。 3.X線多層膜反射鏡の膜材料を、Si/Mo, Ptの他、新たにAg/LaおよびRb/Ceを選定し、波長依存性、層数依存性および入射角依存性などを明らかにした。X線の入射角度をファイバ伝送での臨界角近傍として、反射率の最適化を行った。その結果、広い入射角に対して良好な反射率を得られることが可能となった。 4.境界要素法を用いてテーパ状導波路プローブを、直線型、凹型、凸型の3種類の形状による集束特性について評価した。放射側コア幅が波長以下の場合は直線型プローブが、波長以上の場合は凸型プローブが最適であるという結論を得た。 5.屈折率ゆらぎを含んだランダムな媒質によるX線ビーム導波路のX線電磁界を検討した。ゆらぎの相関長が集束パラメータであるスポットサイズより大きい場合には、ファイバの半径の大きさによって損失が大きく変化し、ゆらぎの相関長が波長以下になると、損失は小さくなるが半径には弱い依存性をもつことがわかった。 6.Mo, Cに関した一様な誘電体2次元円柱モデルにおいて、フォトニックバンド特性を明らかにした。X線領域におけるMo、C原子媒質では、フォトニックバンドギャップは、大きくないことが示され、フォトニックバンド特性、周波数分散関係を明らかにすることにより、高効率でX線を閉じ込め、導波させるX線導波路を作成するための基礎が示された。 X線導波路の低損失化については、さらに検討していく必要があるが、この成果をもとに、さらに高効率の低損失X線導波路、X線機能素子についての研究展開が可能となった。
|